曹操聖女伝第7章
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の髪、スッキリとした鼻筋の通った端整な美貌、月光に輝く白い肌、ほっそりとした優美な肢体、だが胸元や腰回りは十分すぎる程女らしい豊満なラインを描いている。チューブトップとミニスカートを掛け合わせたような白い和装束にナースキャップという不可思議な格好を除けば、多くの男性を虜に出来そうな美貌だ。
これ程美しい少女がやって来てやったのに、公孫?はあからさまに嫌そうな顔をする。それにはちゃんとした理由がある。
「趙雲(字は子龍)……お前はまだその格好なのか?」
「良いではないか。私が好きで此処におるのだ」
「しかし……勇猛で重厚な武芸の達人であったお前がこの様な姿に成り果てるとは……勿体無い事だ」
「私が選んだ道だ。何も後悔は無い」
趙雲なる美少女……実は元男性だったのだ。だが、銀月族が行おうとした呪術の儀式を妨害した際、その呪いを受けて女性化してしまったのである。
「それより、お主がまだ私の許にいるのは予想外だったぞ」
公孫?が突然真面目な話をしてきたが、趙雲は人を食ったかのような感じて答える。
「袁紹……あの男こそ天下に一番近いと揶揄されておるが、あの男には民を尊ばせる力はあるまい。それに……幽州のメンマは中々珍味でな」
「メンマの良し悪しで主君を決めていたのかよ!」
「何を言う!料理は剣より強し!料理を制する者は世界を制する―――」
趙雲は自分達の敗北がすぐ傍まで近づいている錯覚に囚われ話を中断する。
「待て!何か様子がおかしいぞ?」
「今度は何だ!?趙う―――」
其処へ伝令兵が駆け込んで来た。
「袁紹軍がこの易京城に侵入!既に我が軍の被害甚大!」
これには驚きを隠せない公孫?。当然だ。易京に建造した防衛用楼閣は幾層もの城壁を備える堅城。よほど油断しているかよほど透明に近い存在感でない限り直ぐに見つかり……完膚なきまでに叩きのめされるのがオチの筈である。
それに対して、趙雲は冷静にこの事態を分析する。
「袁紹軍はかなりの労力と財力をこの戦いにつぎ込んだらしいな」
「どういう事だ?趙雲?」
趙雲、袁紹軍の軍略を見透かした(と勘違いして)目を細める。
「あ奴らは恐らく地下からやって来たに相違ない。だが、これだと進軍に時間が掛かるし、もし見破られれば……」
趙雲の推察通り、袁紹は地の底を掘って易京城に潜り込もうと考え、日夜トンネルを掘り進んで、とうとう城の中に達した。
予期せぬ場所からの奇襲に浮き足立つ公孫?軍。このまま袁紹軍に壊滅させられるのは時間の問題であった。
完全に諦めてしまった公孫?は、趙雲にこう告げた。
「私の首を刎ねよ」
これには冷静ながらおちゃらけた性格で悪ノリした言動が目立つ趙雲も激しく動揺する。
「正気か公孫?!」
「必勝を確約する筈のこの楼閣までもが破られた……私は敗けたのだ」
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