暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第378話】
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 日曜日の朝。

 今日は先週から約束していたシャルと鈴音二人と買い物の日だ。

 着ていく服装はというと黒のカットPコートに下は赤いパーカー、インナーには白の長袖、ズボンは黒のデザインジーンズを穿く――。

 よくわからんが、美冬的にこれがカッコいいらしく、更にそこから帽子やらサングラスやらアクセサリー等で着せ替え人形よろしく、かなり色々着けさせられた。

 とはいえ、シンプルなのが一番という事でアクセサリーは着けない――チョーカーと、母さんから貰った銀のロザリオ、後はシャルから貰った黒のブレスレットのみ。

 全身黒い印象だが、黒が好きなんだから仕方ないじゃないか。 という事で、出掛ける準備を終えた俺は、財布と携帯をポケットに突っ込み、鍵を机から手に取ると部屋を後にするのだが――。


「ひ、ヒルト」

「ん?」


 部屋に鍵を掛けていると、俺の名を呼ぶ声が聞こえ、振り向くと制服を着た鈴音と見慣れないスーツを着た二十代後半の女性が立っていた。


「き、今日の買い物。 あ、あたし……行けなくなっちゃったの。 め、メールで返事をするのも何か悪いし、無理言ってヒルトの部屋まで来たらあんたが居たから……」


 申し訳なさそうな表情を浮かべる鈴音。

 後ろの女性は眼鏡を右手で直しながら鈴音を眺めていた。


「気にするなよ、また今度行こうぜ?」

「う、うん。 本当にごめんね……?」

「良いって。 行けなくなった用事って、キャノンボール関係か?」

「う、うん。 今日届いたって、この楊候補生管理官が……」


 そう言って紹介されたスーツの女性は――。


「初めまして、今紹介に預かりました国家代表候補生管理官の楊です。 貴方が噂の有坂ヒルトですか……成る程」


 そう言って爪先から頭のてっぺんまで一瞥する彼女は――。


「……織斑一夏と違って、貴方には覇気みたいなものを感じられませんね。 何故凰鈴音代表候補生が彼より貴方を選んだのか、理解に苦しみます」


 悪びれる様子もなく抑揚の無い声で淡々と伝える彼女に、あまり好感を持てずにいると――。


「あ、や、楊候補生管理官! そろそろトライアルに向かいましょう! 直ぐに追い掛けますので先にパッケージの準備を!」


 そう促す鈴音に、怪訝な表情を浮かべた楊と呼ばれた女性は、ため息を溢すとそのまま俺の横を通って向こう側へと消えていった。


「……もう、あのおばさんヒルトの悪口言って……! ……ヒルト、ごめん。 でも中国人皆があんな感じって訳じゃないからね? た、大陸気質な人が多くてやんなっちゃう……」

「ふむ。 ……まあ日本と中国は仲が良いとは言えないからな。 尖閣諸島問題もあ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ