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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第377話】
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生徒の頭を叩くのだから――だがそれも、生徒が立派に成長するのであればと思うと、そんな憎まれ役も苦では無い。
――とはいえ、時々器物破損させてしまう事に対しては反省せねばと心に思うも、やはり器物破損させてしまう辺りはまだまだ私も未熟だと自嘲する。
――と、ここで別の教師が手をあげ、発言し始める。
「織斑先生、私達がそれで納得したとしてもメディアや日本政府は納得しないのでは? 十月には織斑一夏と共に有坂ヒルトの情報も解禁されます。 メディアもこぞって、織斑一夏との対比を取り上げるでしょう。 今でさえIS関連の番組でもコメンテーターが取り上げたりしているのですから、鵜呑みにした一般人からの批判は避けられないと思います。 日本の血税でこの学園の生徒は賄われてますから、幾ら世界で初めての男子操縦者と謂えど、無駄に税金を使うなと抗議行動を興される可能性も否定出来ません。 その時は日本政府も、彼の支援を断ち切ると私は思うのですが」
「……つまり、結果を示せと言いたいのか?」
眼光鋭く見つめる織斑先生に、萎縮する教職員達。
「……メディアや政府には好きに言わせればいい。 仮に支援を断ち切ると言ってもここはIS学園、どの国の物でも無いのだ」
「確かにそうですが、学園の外に出れば彼は傷付くかもしれませんよ? 言われなき批判に晒されるかも――」
「有坂はその程度で傷つきはしない。 彼がそれで傷付いてるのであれば、既にこの学園から去っている筈だ」
事実、彼自身既にテレビや情報誌等で自身の酷評を目にしている。
だがそれでも彼はいつも――『俺は俺ですよ。 周りがどう評価しても、俺が変わる訳じゃないですから』――そんな決まり文句をいつもの様に言っている。
「……なら良いのですが……」
そう言って黙る教職員を見、織斑千冬は一言――。
「来週からいよいよキャノンボール・ファストが開催されます。 場所は今年も市のアリーナです。 先日の襲撃事件もあり、日本政府に自衛隊の協力要請を出しましたがこれは却下されました。 政府としては税金の無駄遣いを避けたいのでしょうが……もしもまた襲撃される事態があれば、私達や政府の責任となりますので教職員は留意しておいてください。 では、本日の臨時会議はこれでお開きとします。 解散!」
その言葉にざわざわとしつつ、退席していく教職員達。
有坂真理亜も山田真耶も退室し、視聴覚室内に織斑千冬一人だけ残ると、呟くように言葉を吐いた。
「……すまないな有坂。 警備の強化、あれだけ強く言われていたのに……」
そんな呟きも、誰の耳に届く事なく視聴覚室の奥へと消えていった。
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