準備
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ガキともやり合ってみたいのは当たってるしな」
「そう。ありがとね響ちゃん。……さてっと、それじゃあお姉さんは一夏くんの部屋で待ち構えていようかしら。あぁそうだ、詳しい事は次の生徒会で説明するからそれでいい? もちろん一夏くん抜きで」
「ああ、かまわねぇ」
響がそれに返答したのを確認すると楯無は満足そうに笑顔を見せたあと部屋から立ち去った。
それを見送らずにため息をついた響は隣のベッドを見やった。
「お前もお前でどんだけ寝れば気が済むんだよ」
「すぴー……」
そこには猫のように丸くなって寝息を立てている本音がおり、響はそれにため息をついたあと本音を起こさないようにシャワーを浴びて眠りについた。
「……ター。おき……さい、……マスター」
大人の女性の声が聞こえた。
響はそれに顔をしかめながらもその双眸を開けた。
「あ、起きましたねマスター」
響が目を開けると空には満点の星が広がっており、大きな月も浮かんでいた。しかし、それよりも目に入ったのはゴスロリチックなフリルが多く付いたドレスを着込んだ女性が佇んでいたことだった。
「……臨海学校ぶりか『夜天月』」
「はい。覚えていてくれて嬉しい限りです。マスターは忘れっぽいですから」
「ほっとけボケ。そんで? 今回は何のようだ?」
響は立ち上がりながら女性――『夜天月』に問うと、彼女は先ほどまでの笑みを崩して真剣な表情で響に告げた。
「マスター、貴女はおそらく気が付いていないかもしれませんが……私に新しい力が宿り始めています」
「新しい力?」
「はい。おそらく開発者である篠ノ之束がインストールしているのでしょう。……しかし、貴女にこの力が扱えるかどうか」
夜天月は心配げに響を見つめるが、響はそれに肩を揺らして笑った。夜天月はそれに首を傾げるが、すぐに響は笑い終えるとニヤリと口角をあげて告げた。
「夜天月よぉ、お前は私のISだろ? だったら私がどんな奴かはわかってんだろ?」
「それは……そうですが……」
「危険上等。どんなあぶねー力だろうが使いこなしてみせるっつーの。第一テメェ自体があぶねーISだろうがよ」
自信に満ちた主人の物言いに夜天月自身も目を丸くしていたが、少しすると口元を押さえて笑みを浮かべた。
それに響は訝しげな表情をして彼女に問う。
「あんだよ」
「いいえ、実に貴女らしい意見だなと思いまして」
「ほっとけ」
夜天月の意見にフンとそっぽを向いた響だが、その肩を夜天月が叩き告げた。
「マスター、これは予想ですが。以前戦った亡国機業と言うもの達、おそらく近いうちにまた戦うことになるか
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