48:リング・オブ・ハート
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のだそうだ。
そして、代わりに半透明に映るベリーは、そのボクの姿をどこか満足そうな瞳で見つめた後……
「まさか……」
「ああ……どこか幸せそうな顔で、散っていったよ……」
そう言って、キリトは長くため息をついた。
「ミストユニコーンの謎だった、もう一つの能力。それは、蘇生アイテム……《環魂の聖晶石》と同じ能力だったんだ。ユニコーンがその身を捧げることで……対象プレイヤーが死亡してから、ナーヴギアのマイクロウェーブが発生し脳を破壊するまでの猶予時間である十秒以内であれば対象プレイヤーを蘇生することができる、というな……」
「…………そんな……。……いや、待って」
ボクは話の折にハッと気づく。
「……ちょっと待って! 《心》アイテムは!? 《ベリーの心》は!?」
そうだ、それさえあれば、今であればテイムモンスター……使い魔の蘇生が可能なはずだ。
しかしキリトはそんなボクの言葉を予期していたかのように……すぐに力無く首を横に振った。
「……アイテムは確かにドロップしたけれど……恐らく、蘇生能力の代償だったんだろうな……ベリーが散った時には、既に《形見》アイテムだったよ……」
「そ、そんな……」
再びボクはそのセリフを力なく口にして落胆する。
……それでもボクは、ボクに再び命を吹き込んでくれた、ベリーの文字通り形見である《ベリーの形見》をこの手にしようと……ウィンドウを呼び出し、アイテム一覧を開いた。
しかし……
「……あれっ? か、形見アイテムが……!?」
無かった。
しかもそれだけではない。
《ベリーの形見》だけでなく、今までも大切に大切に保管していた……《ルビーの形見》すらも、所持品から消えていたのだ。
「あ、あー……それなんだがな……」
ここでキリトががりがりと頭を掻きながら再度話を切り出した。
「その二つの形見アイテムなんだけど……それは今、俺たちが預かっているんだ」
「なぁ……!? かっ、返してよっ!!」
今となっては彼らから奪われた、とは思わなかったが、それでも思わず声を張り上げてしまう。
しかしキリトはバツが悪そうな態度のまま続ける。
「えっと、悪く思わないでほしいんだが……そ、その、怒るかもしれないとは思ったんだけど……もう、その形見は返せないんだ……」
「は――――」
驚いたどころの話ではない。
まさか。まさかあのキリトの口から聞くこととは夢にも思わなかった言葉と展開に、ボクが口を開けたまま絶句していると……
「キ、キリトさんっ! 誤解させるような言い方になっていますよ!?」
「えっ……!? そ、そうなのか!? だったらすまないユミルッ……!」
「も、もういいですっ。ここからはあた
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