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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十八話
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の前の少女は十八歳くらいに見える。髪の毛も長いし、目の色は刹那と違って()()だ。だが、その主だった顔立ちは瓜二つどころか全く同じであったし、刹那が成長すればこれとよく似た容姿になるのではないかと容易に想像がついた。

 ただ、その纏う雰囲気はまったく異なる者だった。刹那がどちらかというと冷静でおせっかいなタイプなら。こっちはたぶんホワホワして他人に頼るタイプの人種だ。だが、彼女は、刹那にはない、《威圧感》というか、《神々しさ》とでも言った、戦闘者の気配を纏っていた。

「えーと、侵入者の皆さん、初めまして。防衛組織《七剣王》のリーダーを任されています、ホロウ・イクス・アギオンス・スプンタマユです。よろしくお願いしますね」
「アクセル・イクス・アギオンス・ゼロアルファです。以後お見知りおきを」
「リオ・イクス・アギオンス・ツーアルファだよ。よろしくね〜」
「……ディスティニー・イクス・アギオンス・フォーアルファと申します。汝らに断罪(しゅくふく)あれ」

 行儀よく自己紹介をしていく少女たち。なんか一つ変なの混じってるような。

 それを、セモン達はあっけにとられてみるしかない。

「なんだ、あれ……?」

 カズが困惑で顔をゆがめながら呟く。

「えっとね。そっちの茶髪のお兄さんは、お兄様が呼んでるからこっち来て良いよ」

 えい、と、リオと名乗った少女が手を鳴らす。すると、ノイゾの物とよく似た黒いゲートが出現した。セモンに向かって手招きをするリオ。あれに入れという事なのだろうか?

「……どうします?コクトさん」
「……恐らく奴の言う『お兄様』とは、先のノイゾの言葉からも類推するに恐らく《主》の事だろう。《白亜宮》の最奥部に行くチャンスだ……お前が決めろ」
「……」

 この誘いに乗れば――――セモンはこの世界の真実に血数蹴るだろう。もちろん、彼女たちがセモンを完全にだましており、転移先でタコ殴りにされる可能性もある。だが、セモンは信じても良いのではないか、と、理由も無く感じた。

 そして――――頷く。

「わかった。……みんな、いったんここでお別れだ」
「おう。戻って来いよな」
「待っていますよ」
「武運を祈るぞ。すぐに追いつく」
「……真実をつかんで来い、セモン」

 口々に応援してくれる仲間たちに頷き返し、セモンは、漆黒の闇の中に身を投じた。


「……さぁて、お兄様からは残った人たちは叩き潰せって言われてるんだよね。どうしようかなぁ」
「へっ!決まってんだろ。俺達もセモンを追うんだ。お前らぶっ倒す!!」
「……世迷言ですね」

 ヴン、という音。アクセルと名乗った少女の姿が掻き消える。

「――――あなた達は、私達《白亜宮》のレギオンに、勝てない」
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