DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十八話
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攻撃する。
とっさに《マルチウォール》を展開するシスカープ。だが、驚愕はそれだけでは収まらない。
少女の放った剣戟は、悠々と《マルチウォール》を透過し、シスカープ本人を切り裂いたのだ。
「が……はっ……!?」
「……自らのアビリティを過信し、そればかりに頼るとは……位階が自分より上か、もしくはそもそもその法則にのっとっていない相手には効果がないことを忘れましたか?」
ほとんど白に近い青緑色の髪をしたその少女は、プリズムの様に色の変わる瞳で、倒れ伏したシスカープを一瞥すると、機械じみた口調で呟いた。
「ユニットID【ディスティニー・イクス・アギオンス・フォーアルファ】より、ユニットID【ノイゾ・イクス・アギオンス・レギオンビショップ】にアクセス。ユニットID【シスカープ】の回収を進言します」
『受けよう』
どこからか、あの青色の髪の少女――――ノイゾの声がした。同時に、どぶん、どいう音と共に、シスカープのからだが闇にのまれ、消えていく。
「……」
「……」
ただそれを、セモン達は絶句して見守るしかなかった。突然現れ、これからだ、という戦いを内きりにした少女。なんだこの展開は。まるで、西洋のオペラや劇で、物語が進まなくなったときに、《神》を模した機械が強制的に終了させる、奥の手の台本の様な――――
「皆!大丈夫か!」
「コクトさん!」
「師匠!」
コクトがこちらに走り寄ってくる。カズが位階上昇の話をしようとするが、コクトがそれは後だ、とでも言わんばかりに睨み付けると、カズは押し黙る。こちらに向けられたコクトの眼が、「どういう事だ」と問う。首を振って、「俺にもわからない」と答える。
少女が、ゆるり、とこちらを向く。同時に、その背後の空間が歪み、さらに三人の少女が姿を現す。
それは、主に《白い》少女たちだった。
一人目は、SFチックなパーカーを羽織った少女だった。髪の色は白。前髪だけが、見る角度によってプリズムのごとく色を変える。瞳の色も同様だ。目のような形状の髪留めが目を引く。
二人目は、白いフーデッドローブの少女だった。だが、フードは下ろされ、無邪気な表情が見えている。長い黒髪をうなじでまとめているこの少女の瞳は、片方が普通の赤で、もう片方がもう見慣れた紅蓮だ。
そして三人目の姿を見た時――――セモンは、思わずつぶやいていた。
「……刹那……?」
セモンの親友の一人、天宮陰斗の妹、天宮刹那に、その容姿は、あまりにも酷似していた。刹那は確か十五歳だが、目
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