DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十八話
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ろん下からの攻撃でも弾き返すことができる」
「そんな……」
それはつまり、どこから攻撃しても、シスカープを突破できないという事だ。白い通路は先が閉じており、彼を躱して先に進むことはできない。それはつまり、シスカープを倒せなければ先には進めないことを示す。
万事休すか……。
セモン達の絶望を後押しするように、シスカープがなおも涼やかなまま、しかし冷徹に言い放った。
「この程度かぁ……反逆者なんていうなら、もっと強くても良かった者を……」
「ふざ……けるなよっ!!」
その瞬間、シスカープの《マルチウォール》に、激しい閃光がぶち当たる。カズだった。カズの《ノートゥング》が、マルチウォールとせめぎ合いを演じている。
本来ならば《次元断》の能力を持つ《ノートゥング》でさえ、シスカープの《マルチウォール》を破壊することはかなわない。だが――――確実に、何か変化が起きていた。
弾き返されないのだ。《マルチウォール》は、攻撃してきた相手の、その攻撃の威力をそのまま弾き返す。だが今、シスカープの《マルチウォール》は、カズを、《ノートゥング》を、弾き返すことなくせめぎ合うだけである。シスカープの表情が、初めて歪んだ。
「何……?」
《マルチウォール》の能力は、術者自らの位階以下の使い手によるあらゆる攻撃の完全シャットアウトと、その反射。だが、その《反射能力》が機能していない。まるで、ノートゥングに触れられた部分だけ、その加護が消滅したかのように。
そして、その変化は、目に見える形で表れ始めた。
《ノートゥング》のカッターの刃の様に見える刀身が、淡く揺らめき始めたのだ。同時に、カズの周囲をも、太陽のコロナを思わせる陽炎が取り巻いていく。服装のデザインも徐々に、徐々に変わっていく。白と赤だった陣羽織は、真紅と朱色へ。さらに小手のデザインが、純和風から西洋の鎧ふうに変わっていく。
一体何が起こっているのか。困惑するセモンに答えを出したのは、同じく困惑した表情のハクガだった。
「位階上昇……!?このタイミングで……?」
「位階上昇……」
「ええ。レベルが一定の域へと達し、メイン属性と同属性の六門魔術が規定熟練度を超えた時に発動する、六門神の『神格面のレベルアップ』……ですが、カズのレベルや魔術熟練度は、ほとんど私たちと変わりません!こんな土壇場で位階上昇できる域ではなかったはず……!」
新たな疑問に、しかし答える者が存在した。リーリュウが、あ、と声を上げる。
「カズが……今までのミッションでしぶとくMVPを取ろうとしてたのはこのためか!」
「ボーナス経験値……」
小波から出されたミッションをクリアした時、そのミッション内で最も活躍した六門神に送られる、ボーナ
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