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緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
24弾 『武偵殺し』の正体
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てことも確定したってわけだ」

 俺が『武偵殺し』の正体を暴くために行ったことを聞くと、理子は若干頬を引き攣らせていた。どうしたんだ?

「……いや、そりゃあね。確かにミーくんの推測通り、理子が『武偵殺し』だったわけなんだけどさ。さすがにそこまで念入りに調べられるって、理子はそこまでミーくんに信用されてなかったのかなって思っちゃったわけですよ」

「逆に考えろ。信用していたからこそこんなに念入りに調べたのだと」

「じゃあミーくんは理子のこと信用してたの?」

 理子が微妙に子犬を連想させるような目で俺を見つめてくる。

「もちろん信用してたさ。なんてたって友達だからな」

「あはっ!理子のこと、ちゃんと友達だと思ってくれてたんだ。それはちょっと嬉しいかな」

「おいおい何で過去形で言ってんだ。俺は今でもおまえのこと、友達だって思ってるぜ?」

 俺のその言葉は予想外だったのか、目をまんまるにして驚く理子。そして数秒後に噴き出した。

 俺は腹を押さえながら笑いまくってる理子をジト目で見てから、本当に言いたかったことを言う。

「だからさ、理子。このまま穏便にイギリスまで行って、アリアの金でチケット買って武偵校に帰ろうぜ?」

「ちょっと!何であたしがあんた達のチケット代を払わなきゃいけないのよ!」

 今まで話に入れず空気だったアリアが自分の名前が出てきたのをきっかけに会話に入ってこようとするが、俺は努めて無視する。

「で、返答はどうなんだ?理子」

 半ば答えを予想しつつも、ダメ元で聞く俺。それに対して理子は、笑いを引っ込めていつになくマジメな顔で言葉を返す。

「確かにそれは魅力的な提案だけど……ごめんね。その提案を受け入れることはできないよ」

「……ま、だろーな」

「本当にごめんね、ミーくん。理子はどうしても、アリアを倒さなきゃいけないし……何より、こういうスリル満点の戦闘って、理子だーい好きなの♪」

 そう言った理子の、この後の展開が心の底から楽しみで仕方がない、というような笑みを見た時、ゾクッ、と背中に悪寒が走った。

 その狂気的で背徳的な、しかし楽しげな笑顔はとても美しく、そしておぞましかった。

 昔どこかで見たような気がして一瞬、脳裏を何かがかすめるが思い出せなかった。

「じゃあミーくん、アリア。そろそろ本題に入ろうか」

 先ほどまでと同じ表情で、それこそファミレスで料理を注文するのと同じくらいのトーンで、理子は言う。

「理子のために、死んでくれないかな?」
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