拳神現る……!
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指では物足りないレベルで体験し続けていないければこれ程の密度にはならない。
何が非武装で暫定支配を受けている極東を象徴する武蔵の総長連合だ。
質なら負けてはいないではない───
「───ぼざっとしていいのかよ?」
「……っ!」
今度は普通の歩法で知覚から失せた剣神は既に左のミドルキックを放っている最中だ。
……ならば!
先の先を取れないなら後の先を狙う。
襲い掛かってくる足の首を狙って両の手を絡ませる。
「とった!」
「じゃあ大事にしろよ?」
トン、とまるで階段を上るように地に残った足を大地から離す。
転びはしない。
何故ならこちらが絡め捕った左足を支えに使われているから。
咄嗟に手放し防御に腕を使う。
間に合う、と思ったところで
「───」
再び消えた右足が防御に構えた顔面ではなく胴体を捉え、今度こそ10m以上飛ぶ自分を知覚した。
そこから先が決着だろうと思い、だからこそ熱田は手を抜かなかった。
吹っ飛んでいくジョンソンに大地についた地面を一発蹴るようにして飛ぶ。
それだけで体はまるで木の葉のように舞う俺。
内心でヒャッハーと叫びながら着地し、クルリと回るとそこには飛んでくるアスリート詩人。
それに対して俺は奴に不安にならないように満面の笑みを浮かべる。
アスリート詩人はそれを見て何やら口が横に伸びているが気にせず両手を握りしめ
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!」
ラッシュを放った。
肉を何度も打つ感触を堪能しながら、しかし相手が防御をした感触を手に入れ
「……っしゃぁ!」
ラッシュの勢いによる発射が生まれる前に伸ばした腕をそのままジョンソンの足に延ばし、
「ん……!」
そのまま腹筋と腕力頼みの
「秘技! 腕力頼みのジャーマンスープレックス……!」
反りに反った投げに近い叩き付けを敢行し、コンクリートが叩き割れるような衝撃がジーンと手に響くのをうむ、と納得しながら
「───あ。やべ、死んだか?」
つい、外道メンバーを相手にしていたようなテンションでラッシュやら何やらをしてしまったが大丈夫だろうか。責任は取るつもりはないが。
これで相手がトーリとか喜美ならば間違いなく生きているという確信を得れるのだが、他国の人間だと怪しい。
というかどうして芸人馬鹿よりの方が特務クラスよりも頑丈と思えるようになっているのだろうか。
武蔵の生態系がおかしいのかもしれんと思い、とりあえず確認するかと腰を曲げている今の状態で確認しようとして
「……む?」
いない。
手に持っているのは足首と思っていた靴の片っ方だけであった。
男の靴を持たされるとは……!
これが智の靴な
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