拳神現る……!
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"女王の盾符"であるベン・ジョンソンは色んな意味で筆舌し難い光景を目撃してしまっていた。
Oh……嘆きが……言葉も不要なほどの嘆きがダイレクトに……!
伝わってくる。
その方法は表情であり、仕草であり、雰囲気であった。
それら全てを持って伝わってくるこの悲壮感の何たる切なさか。
第三者である自分ですら胸が張り裂けそうという感情を抱きそうになるのだから、この嘆きを抱いている人物はどんな痛みを覚えているのか。
そしてジョンソンは隠れながらその件の人物───熱田・シュウの絶望表現を見ていた。
歓迎会という名の女王の盾府による相対戦……相対ロワイヤルとでも言うべきか。
それらを実行するのも、戦うのも問題はなかったのだが相手に一つ問題があった。
ずばり───剣神クラスの敵と相対するにはこちらが不利であるという事であった。
ただでさえ格としては妖精女王クラスの存在である。
何人かは敬遠するべきだという意見も出たのだが、放置して戦場を掻き乱されたら困るという考えがあったのでこうして自分が来ることになったのだが
……逆に言えば掻き乱されるという考えを持っていても放置すべきと言われたGod……
つまり最高ランクの人外と全員が認識し、つい妖精女王の方を見ると
「お? お? どうしたゴールデンタマ。私の膝に甘えてきて───ジョンソン、ハワード。何か買ってこい」
瞬間的なパシリにまさかハワードのブースト土下座に負け、アスリート詩人のプライドなどを全て砕かれた先日が懐かしい。
そのせいで罰ゲームとして剣神の相手をすることになったのだが流石にこの光景は予想だにしていなかった。
今も両手と両膝を地面につけながら
「初デート……悲劇で終わる、最悪だ……季語がねぇなぁ……」
謎の五七五調の詩に思わず詩情だ……! と内心で叫ぶ。
しかしその詩を聞く限りどうやら初デート中にシェイクスピアの術式によって恋人と離され絶望しているらしい。
流石に同情はするがむしろ好都合と取るべきだろう。
あらゆる行為というのは技術や体力、才能というのが当然物を言うのだがそれらはテンションというものが深く作用する。
ならばチャンスだと改めて剣神を見ようとすると
「───いない!?」
思考に意識を割いたのは一秒にも満たない時間のはずだ。
その一秒以下の時間で行動をしたという事自体に驚きはない。
術式含めて何らかの能力を使う副長クラスなら何もおかしくないのだから。
そう思い、ふと視界が下を映した瞬間、何処に居るか。どう対処するかと言う思考を全てかなぐり捨てて全力で後ろにジャンプした。
そうした理由はある。
何故なら
影が……!
そこに増えていたからという思考を言葉にするよりも早くにそ
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