番外11話『超ベリーグー』
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ナ』から『アルバーナ』の国王軍とぶつかるまで約8時間。ここ『レインベース』から『アルバーナ』につくまでにはそれ以上の時間がかかる。もしも彼らの衝突を回避させるならばビビが今すぐにでも『アルバーナ』へと向かわなければならない、ということを。
「……」
ハントが拳を震わせた。
顔面を殴られたクロコダイルだがハントが悔しそうにしているその表情に溜飲を下げたらしく「さて、じゃあ俺たちは一足先に失礼するとしようか」とミス・オールサンデーと共に部屋を出ていこうとする。とはいえハントがそれを許すはずがなく「俺の相手が終わってないだろ」とクロコダイルの背中へと動き出そうとして――
「――なお、この部屋はこれから一時間かけて自動的に消滅する」
この言葉に、ハントの動きが止まった。
それを背中越しに感じたクロコダイルが、ハントを見下す目をもって振り返り、そしてハントを睨み付けながら言い捨てる。
「こんな小者海賊団に覇気使いがいたことには驚いたが、所詮は小者海賊団の一員。俺が相手をしてやる必要もねぇ……さっきの一撃は餞別がわりに受け取っておいてやるさ。ミス・ウェンズデーも、もうそのままこの部屋と共に沈没する小者海賊団を救おうとするより罪なき100万人の国民を救うために行動した方がいいんじゃねぇか? ……どっちを選ぼうが可能性は限りなく低いがな」
「っ」
「……」
ビビが歯を食いしばり、ハントは無言でクロコダイルを睨み付ける。
それがまたクロコダイルには心地よいのだろう。笑い声をあげながら聞いてもいないことをぺらぺらと語りだした。
「一国の王女もこうなっちまうと非力なもんだな。この国には実にバカが多くて仕事がしやすかった。若い反乱軍やユバの穴掘りジジ然りだ」
ユバの穴掘りジジイ。
その単語を聞いたハントが「なに?」と反応し、ルフィが「カラカラのおっさんのことか!」と声を張り上げた。
ユバの穴掘りジジイを知っていることにクロコダイルは意外そうに、だがそれ以上に愉快そうに言う。
「なんだ、知ってるのか……もうとっくに死んじまってるオアシスを……毎日もくもくと掘り続けるバカなじじいだ……はっはっは笑っちまうだろう?」
「何だとお前!」
不服そうなルフィの声を遮って。
「聞くが麦わらのルフィ……砂嵐ってやつがそう何度もうまく町を襲うと思うか?」
あまりにも衝撃的な言葉がクロコダイルからこぼれ落ちた。
「……」
「……」
「……」
一瞬、理解が出来なかったルフィ、ビビ、ハントが言葉を失った。だが、クロコダイルが右手で小さな砂塵を起こして見せたことで、悟った。
「お前がやったのか……っ!」
ルフィの怒りの声。
「殺してやるっ!」
ビビの怨嗟
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