番外11話『超ベリーグー』
[8/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
る。が、もちろんビビを助けながら戦うほどの余裕はおそらくハントにはない。
相手がクロコダイルというだけでも勝てるかわからないのに、もう一人加わられたらたまったものじゃない。
これだけでも危機を感じるには十分だというのに、周囲が水に囲まれているこの状況でルフィたちが牢獄の中で捕まっているというのもハントにしてみれば痛事だった。もしもここにいるのがハントだけならば小躍りしたくなるほどにラッキーな状況だろうが、もちろんそんなIFは考えるだけ無駄という話で、今のこの状況ではハントは本気を出せない。
本気を出せばこの建物に傷が入る可能性が大きく、そして傷が入ればこの壁から浸水しここは一瞬で沈むことになる。
そうなればルフィたちが水に沈むという最悪な事態になってしまう。
――場所が悪すぎる。
ビビの言う通り、ここに来るべきじゃなかったかもと、少しばかり早すぎる後悔を始めるハント。
圧倒的にハントにしてみれば不利と思われる状況で焦りを覚えている彼だったが、実はクロコダイルはハント以上に危機感を覚えていた。
彼が自然系の能力者として本気を出せばハント以上に確実にこの建物を壊してしまう。そもそも悪魔の実の能力者というだけで水が弱点なのに、スナスナの実という砂の能力によって、クロコダイルにとっての水は悪魔の実の能力者以上に致命的な弱点となっている。
周囲に水があふれるという状況をクロコダイルがそれを望むわけもなく、かといってハントは覇気使い。
覇気使いの人間は、物理攻撃を当ててくるという芸当をこなし、自然系という絶対的優位性はその地位を落とし単なる優位性があるというだけの状況へとしてしまう。加えて覇気使いはその大抵が並々ならない努力を積んだ人間が得ているものが多く、それを相手にして悪魔の実の能力の技を使わずに戦ってもいくらクロコダイルとてジリ貧になる可能性がある。
お互いにお互いが望まない状況にある中、ふとミス・オールサンデーが言葉を発し、空気がわずかに弛緩した。
「……7時を回ったわ」
「……そうか、始まったか」
クロコダイルが頷き、ハントがそれに対して小首を傾げた。
「……始まった?」
ハントだけではなく、ビビや囚われているルフィたちも同様に何のことかわからずに不思議そうな顔に。
用意周到で切れ者のクロコダイルだが、もうこの段階にまで至ってしまっては目の前の彼らにそれを止める手立てがないと判断したのか、それともそれを尋ねられて話すこと自体も彼にとっては計算の内なのか、ともかくクロコダイルは今から始まるそれについて嬉々として語りだした。
それ、ユートピア作戦の全貌について。
作戦の全貌をクロコダイルが語られ、そしてクロコダイルはビビをからかうように告げる。反乱軍が『ナノハ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ