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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第376話】
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足元からリング状のスキャナーが垂直に浮き上がり、足の爪先から膝、腹部、上半身、頭部とスキャンされ、また折り返して頭から爪先まで念入りにスキャニングされていく――と、ここでピーッ!ピーッ!という音と共に正面のモニターには【error】の表示が現れ、また再度足の爪先から頭までスキャニングし、折り返すリング状のスキャナー。

 そして改めて画面に表示されたIS適性【E】の文字が浮かび上がった。

 ……結局ランクEという罠。

 改めて突き付けられる俺のランクに、軽く溜め息を吐くとそれは足元へと落ちていく。


「母さん、もう動いていいか?」

「………………」


 母さんを見ながらそう言うが、返事はなく、普段見せない様な表情で母さん側に映し出されていたモニターを見ていた。

 そのモニターは、機械に備わっているやつで此方からは全く見えない。

 改めて正面のモニターを見直すも、そこにはIS適性Eの文字が変わらずそこにあった。


「母さん?」

「あ、ご、ごめんなさぁい。 おかしいわねぇ、今のヒルトならランクはAぐらいはあると思ったんだけどぉ……。 壊れてるのかしらぁ?」


 そう言って機械を何度か叩く母さん――一応精密機械だから、あんまりそういう事はしない方がいい気がする。

 とはいえ、もう叩いた後だから仕方ないのだが。


「あ、そうだ母さん。 悪いんだけどさ、お金の援助、お願いしてもいいか?」

「えぇ、良いわよぉ? 十万あれば足りるかしらぁ?」


 ……十万は多すぎる気がするが……。


「に、二万で大丈夫」


 そう伝えると、母さんは口を手元で覆い隠しながら。


「あらぁ? 二万で良いのかしらぁ?」


 軽く微笑を溢しながらそう伝える母さんに、俺は頭をかきながら――。


「さ、三万で」

「うふふ。 良いから十万持っていきなさいな。 男の子何だし、それぐらい無いとデート出来ないわよぉ」


 十万も掛かるデートって何だろう……。

 まあ一夏の誕生日プレゼントに少し欲しかっただけだが、残りは大事に使うか。

 財布から出された一万円札十枚受け取ると俺は――。


「母さん、ありがとう」

「ううん〜。 ヒルトは代表候補生じゃないからねぇ〜。 美冬ちゃんや未来ちゃんは毎月支給あるからねぇ……。 お母さんの方でも色々働き掛けているんだけどねぇ……」


 頬に手を当て眉根を寄せ、困った様な表情を浮かべる母さんだが俺には逆に一体どんなつてでそんな事が出来るのかがわからない。

 だが、考えても答えは出ないのだから仕方ない。

 とりあえず財布の中へとお金を入れると、そういえば美冬が母さんは明日のレセプシ
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