36話
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しょうがない」
夕はジークを背中におぶる。
「あっあのユウ君!?」
突然おぶられたことで慌てるジーク。
「暴れるな落ちるぞ」
「でも〜」
唸るジークを放置して夕は自分の荷物の置いてある所に移動を開始する。
「うち、重ない?」
「軽過ぎるくらいだ。ちゃんと飯食ってんのか?」
「………食べとるよ」
「何だ。今の間は?」
こいつちゃんと食事とってないな。夕は自分の荷物を回収し、ジークに彼女の荷物が置いている場所を(おぶったまま)案内させる。そしてそこで見た光景は夕は絶句させる。そこに置いてあったのは荷物ではなくテントだったのだ
一人暮らしではなくテント暮らししてんのかこいつは!………ヴィクターが言っていた所在不明の友人ってのは恐らくジークのことだ。
「ジークお前がちゃんと飯を食べてないのはこの生活のせいもあるのか?」
「………」
無言のジーク、恐らくは肯定の意だ。こんな生活してたらまともに体調を維持できるわけがない。だが、言って聞くようなタイプでもなさそうだな。ほうって置いてもいいんだがそれで倒れられても目覚めが悪い、
だが…………………ああ!考えるのがだるい!こうなりゃ自棄だ。あの手で行く。
「ジーク、俺と手合わせしないか?」
「…別にええげど、どこでやるん?」
突然の申し出にきょとんとするジーク。
「お前と俺の共通の友人。ヴィクターに頼めば用意してもらえるだろ」
「ユウ君、ヴィクターのこと知っとるんか!?」
「そもそもこの山はヴィクターに教わった場所だ。お前の話もヴィクターから多少聞いてる。まぁヴィクターの話に出てきた友人があんただと気付いたのは今さっきだけどな」
「そやったんかぁ」
それからあの手この手でジークを説得し手合わせを受けさせる夕だった。ヴィクターに連絡を取ると明日なら場所を用意できると言うのでお願いした。 そしてその日、夕はジークのテントの周辺で夜を明かした。一度戻ってまた来るのが面倒だったからだ。
夕のあの手とはいったい?
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