36話
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る。
「あっ美味しい」
「そいつは良かった。多めに持ってきてるから好きなだけ食べるといい」
夕は非常食以外の食べ物を荷物から出す。少女は遠慮しながらもそれなりに食べたのだった。そして夕が食後のお茶を飲んでいると少女が話しかけてくる。
「なあ?」
「何だ?」
「君は「ユウだ。ユウ・ミカワ」ユウくんは何でこんな山の中におったんや?」
行きなり下の名前か、まあいいけどな。
「トレーニングだ。平地ばかりで鍛えるとバランス感覚とかが鈍るから月2くらいで山に来てるんだ。この山には今日初めてきたけどな」
「トレーニングか、ユウ君は格闘技をやるやねDSAAには?」
「DSAAに興味はないんだが今年は知り合いに強制的に出された。結果は都市選抜の決勝で負けた」
「ええとこまでいったんやね。ユウ君は強いんやな」
感心したように言う少女。
「女子DSAAチャンピオン、ジークリンデ・エレミアに言われるは光栄だ」
「…知ってたんやね」
「さっきまで忘れいて今、思い出した」
「そっか」
ジークリンデの雰囲気は僅かに暗くなる。
「ああ、あんたの試合は友人と観戦にいったときに見たんだ」
「そうなんか」
どうやらジークリンデは肩書きで見られるのが嫌なようだ。だが
「まぁ、あんたがどんな経歴を持ってようが、俺にはどうでもいい話だ」
夕にとってはそんなことどうでもよかった。
「え?」
信じられないような目で夕を見るジークリンデ。
「今なんて…」
「あ?あんたの肩書きや経歴に興味はないって言ったんだか、何か悪かったか?」
「うっううん!何でもあらへんよ。なぁユウ君、もっとお話しにつき合ってほしいんやけど駄目かな?」
上目遣いで聞いてくるジークリンデ。
「別にいいけどトレーニングもしたいからそんなに時間はないぞ」
「なら、うちも一緒にトレーニングする!」
「…好きにしろ」
「うん!後、うちのことはジークって呼んでや!」
肩書きや経歴を気にしない夕の対応が余程嬉しかったのかジークは無言で行うトレーニングのとき以外は夕に何度も話しかけた。夕も普通に相手をしていたのだった。
そして数時間が過ぎる。
「はぁはぁはぁ!」
ジークはへばっていた。
「大丈夫か?」
「ユウ君は化け物やどうしてあれだけのトレーニングをこなして汗を少しかいただけなんや」
「鍛え方が違うからな。このくらいなら余裕だ」
大会の様な制限をつけられていない状態の夕に体力で敵うものは少ない。体力が減ってもデロドロンドリンクを飲んですぐに回復してしまうからだ(DSAAでは選手に飲ませるものではないとデロドロンドリンクは持ち込み不可だった)
「動けそうにはないな………
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