序章 ヒトの決意
[2]次話
1892年、ある国。
この国は、いや、この時代は、人が溢れすぎた。
約5億の惑星面積に居座る人類の総数は100億を越えていた。化石燃料重視で生活し、無計画な食糧管理によってあらゆる危機を迎えていた。
食糧危機、温暖化、環境汚染、資源不足・・・そして運の悪いことにある病気が世界中で流行していた。
当然、国々は自国を救済するため、強奪を行う。つまりは、戦争だ。
ある平和主義者が言う通り、戦争は何も生まない。ただ、無くなっていくだけだ。
人は山のように死に至り、資源もとうとう底を尽き、戦争は自然消滅し、残った物は地球飢餓という世界危機。人はあまりにも愚かだった。
それでも、人間だけは馬鹿みたいに多く、馬鹿みたいに増えていった。無責任に繁殖する生物など、前頭葉と下垂体が発達したヒトぐらいだ。
だが、ヒトには知恵があった。考える思考があった。それが科学を生んだ。
科学によって世界危機を免れさせようとする為、あらゆる研究を繰り返し、だがそれでも足りなかった。そして、ヒトはとうとう非行の領域へと手を出した。
ひとつは、機械工業を中心とした、産業技術の発達。
ひとつは、植物の遺伝子改良とそれらの大量生産による食料自給。
ひとつは、土地開拓、都市の開発。
ひとつは、汚染浄化を促す生物と、流行病を喰らう微生物の開発。
ひとつは・・・人の家畜化。
ヒトは、どこまで残酷になれるのか。
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