暁 〜小説投稿サイト〜
I want BRAVERY
十七話 戦後
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


 例の死闘の次の日、俺はいつもと同じように起床した。

 結局あの後は、先輩と二人だけの秘密ということで誰にも話さないと約束し、携帯のアドレスを交換した。
 その時、俺が『二人だけの秘密』と言った時の先輩の顔は今でも忘れられない。
 あの長い前髪の下からニヤリと笑ったのを俺は見てしまった。
 
 そして、先輩の笑顔とシャドウという、まさにダブルパンチを食らった上に、伊織と友近に怪しまれないようにコンビニもう一度行って同じ物を買って寮へ帰った。

 しかしコンビニに二度入る。
 そして同じ店員に、同じ物を渡し、同じ金額のおつりを貰うといった行為を、間隔を5分と開けずに行うのはかなり恥ずかしかった。
 出来れば二度としたくない。

 寮に帰った時は、ズボンに付いた血らしきものがバレないように隠すのに苦労をした。
 伊織達は、結局午前2時くらいまで俺の部屋にいた。
 正直、シャドウの戦闘の後疲れてそれどころではなかったのだが、なんとか伊織達が帰るまで踏ん張った。

 二人が部屋を出た瞬間、気絶するように俺は寝た。

(これからどうするかな・・・)

 影時間に入れたということは、適正が俺にも見つかった、といことだ。
 そして、もちろんあの先輩にも。

 そして、適正が見つかったということは、これから俺は、毎日影時間に入るということになる。
 当初予定していたのは、適正が見つかった後は、影時間にとにかく例の原作の寮まで逃げて、そこで偶然真田先輩か桐条先輩と鉢合わせする、というものだった。

 その寮へ直接助けを求めるのが出来ないので、偶然を装うしかなのだが真田先輩はかなり好戦的だったはず。
 だから、かなり頻繁に影時間にシャドウを倒しに行っているはずなので、容易に出会えると思っていた。
 いや、今もそう思っているのだが。

(・・・あの二人に会うという事は、原作介入か)

 そう、二人に会うという事は原作介入を意味する。

 ここで問題にあがるのが、あの先輩と俺、つまり二人のイレギュラーがいてもいいのか、ということだ。

 二人がいるとなると、原作の序盤の3人PTというところから変わるし、その上戦闘経験のある人間が先にいれば原作の主人公ではなく、俺やあの先輩がリーダーになる確率が高い。

 もしそうなってしまうと、原作にあった伊織と主人公とのいがみ合い(まぁ実際は伊織が勝手に嫉妬しただけなのだが)が起こらない。

 つまるところ、伊織が人間的に成長しない可能性がある。

 それは伊織の死亡フラグへと繋がるのではないかと思うのだ。

(と、まぁ色々考えているのだが)

 これらは全て言い訳だ。

 正直に言おう。

(原作介入・・・怖くてできません!)

 
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ