十七話 戦後
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というのが俺の本音。
最もシャドウ戦で俺にとって重要だった『勇気』は何故か全く役に立たない。
つまるところめちゃめちゃ怖いのだ。
そして、『勇気』のない俺=前世の俺。
つまりは『キング・オブ・チキン』なのだ。
シャドウと戦うなんて無理。
命がけの戦闘とか無理。
銃を頭に向けて撃つとか無理。
結論、
(原作介入は諦めるか)
自分の中でそう結論付けて、俺は部屋を出て、寮の一階へと降りる。
時刻は昼の1時。
完全な寝坊だ。
「あれ?彩が寝坊ってめずらしいな」
一階に下りると、同じ寮住まいの同級生にそう声をかけられる。
友近以下のモブキャラ、所謂、友人Aだ。
「昨日、伊織達が俺の部屋に遅くまでいたんでね」
「あー、なるほどね。彩も何か知らんが苦労してるな」
ポン、と俺の背中を叩いて友人Aは、自分の部屋へと戻るのか二階へ上がっていった。
(あーくそ。これが所謂『疲労』か?めちゃめちゃ体がダリぃわ)
ペルソナを召還したわけではないが、やはり戦闘というものは疲れるらしい。
主人公達も初日の次の日には疲労状態になっていたはずだ。
(しかし、原作介入しないとなると、ペルソナはどうするかな・・・)
問題は山積みだった。
原作介入しない=召還機を貰えない。
つまりはペルソナが出せない。
いや、出せないわけではないのだろうが、自力で出すにはかなり面倒くさそうだ。
『PERSONA - trinity soul - 』での主人公達は踏ん張って出してたし、『ペルソナ3ポータブル』でもストレガは普通に出していた。
しかし、これを先輩に説明するには、俺が転生者であることまで話さなければいけない。
できれば俺が転生者であることは自分の墓場まで持って行きたい。
しかし先輩はペルソナがないと戦力にならない。
自分の身を守ることすら出来ないのだ。
「はぁ〜」
思わず口からため息が出る。
原作介入すれば危険が付きまとう。
しかししなければ、あの先輩を見殺しにすることになる。
自分はしたくない。
怖い、ただそれだけの理由だが、俺にとってはかなり重要なことだ。
でもしなければ・・・
「どうしたんだよ彩。ため息なんか付いちゃって」
一階のロビーにいた俺に、さっきとは違う同級生が話しかけてきた。
つまりは友人B。
「ん〜、伊織の馬鹿さ加減に、つい」
「なるほど。ま、ガンバレ」
またしても俺の背中をポン、と叩いて友人Bは去っていった。
伊織の馬鹿さは皆、重々承知しているのだろう。
ともかく、原作介入するにしてもしないにして
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