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英雄伝説 零の軌跡 壁に挑む者たち
26話
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。それなのにお互いが気付かないなんてことがあるのかなと思って」

「確かにそうだな。元戦闘のプロである警備隊の人間として言わしてもらうが、それは戦闘のプロ同士でなければ考えられないぜ。戦いには慣れっこでもあいつらは所詮アマチュアの不良だ。俺らに負けるぐらいなのにそこまで高い技術があるとは思えない」

先にやられたことへの報復もやったほうは報復を警戒するはずなのにやられており、あり得ない。

「ということは」

お互いがやったのではなく第三者。
4人の中でその可能性が生まれたが、推理はまったく見当がつかない闇の中に突入してしまった。
この旧市街にはどちらのグループにも属さない戦えそうな不良や住所不定者を何人か見かけたが、ほとんどが徒党も組まない単独で生活する者たちで、戦いに巻き込まれるのを恐れて無関係を決め込む者ばかりだった。
だから同士討ちを仕掛けて漁夫の利を得ようとするような勢力はいなかったし、同士討ちが成功しても両グループの代わりに旧市街を仕切れるような人物もいなかった。
ならば旧市街の外はと考えたが、こんなところの不良同士の抗争に関わって得するような勢力や個人も思い付かなかった。
まだ状況を把握し真実に至る情報が足りない。




その時、閃光が走った。

「これまた良い構図ね。おっと、良い顔よ。若き警察官が捜査中に思案する姿って。旧市街に巣食う不良たちの果て無き争い、果たして支援課は止められるのか、ってね」

写真に付ける文言を語りつつカメラのフラッシュを焚いて4人を撮っているのは、ジオフロントを出た時に会ったクロスベルタイムズの女性記者だった。
クロスベルタイムズは州政府に対して批判的な雑誌で、警察もその批判の対象に上げられている。
支援課もジオフロントに入り込んだ子供の保護に失敗し遊撃士に助けられたと写真付きの記事で面白おかしく書き立てて笑いものにされて良い感情を持っていない。

「肖像権侵害です」

「いやー、職業柄、良い画を見ると撮りたくなちゃって。記事の写真に使うかも知れないし、ケチケチしないで欲しいな。君たちの記事って案外評判良いのよ?」

いかにも調子良さそうな笑顔と言動で強引にティオが不快だと示したのに吹き飛ばしてしまった。

「それより面白いネタに絡んでるみたいね。ちょっとお姉さんの取材に協力してくれないかしら?この前の記事のお礼に奢ったげるからさ」

「捜査中の情報は部外者には簡単に洩らせません。それもマスコミなんかに」

「もうー、つれないんだから。せっかくおいしい東方料理をご馳走してあげようと思ったのに」

ロイドが厳しく答えたのでわざとおどけた口調で返す女性記者。

「デザートに“足りない情報”とかもね」

4人は一瞬顔を見合わせた。情報交換
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