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英雄伝説 零の軌跡 壁に挑む者たち
26話
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なと思い、支援課はイグニスを後にした。





ようやく二つの不良グループから抗争勃発の原因となった事件当日のことを聞き出すことが出来た支援課の4人は二つのチームのメンバーが襲撃された場所で二つの不良グループから聞いた情報を話し合っていた。

「どちらのメンバーも同時に闇討ちに遭っているだなんて。どういうことだと思う?」

「どちらかが嘘を付いているはずなんですけど、そういう訳でもなさそうでしたし」

4人とも証言の矛盾と本当のことを言っているという印象にどういうことだと唸ってしまった。
実際に会った印象では、ワジが手を出すなと言えば敵意剥き出しだったのに従ったテスタメンツも一騎打ちだとヴァルドが言えば誰も手を出さなかったサーベルバイパーもリーダーの統制が行き届いていることがわかる。
ワジが疑っていたように一番ありそうだったのはメンバーの独断専行。その線がリーダーを本気で心服しているのであり得ないのではないか、その考えが強くなっている。
メンバーの独断専行を見抜けば、抗争を上手く交渉で収められると思ったのだが、両グループに証言を聞いてもお互いにやっていないと。
最悪、どちらのリーダーもが嘘を吐いていて、示し合わせて抗争しようとしているのかとも思ったのだが、そもそもそんなことをする必要がないと考えから外した。
事実は襲撃され怪我人が出たということだけ。
そのため、何か手掛かりを得ようと襲撃場所を調べてみたが、すでに5日も経過しており、現場はどこにでもある裏路地で特にここじゃなければ駄目だという要素はなかった。
襲撃の様子を聞いた通りに再現しようと、襲撃者側の行動もやってみたが、一人のところを待ち伏せしたり追いかけたりすれば、襲撃することは簡単だということがわかる。夜ならさらに襲撃者の方が有利で奇襲はしやすい。
そうして両方の襲撃状況を体験してみるとロイドは周囲を見渡して考え込んでしまった。

「どうした?」

「なんだか、妙だな、と思ってさ」

「妙?」

「実際やってみて、夜なら今よりも人がいないだろうから確実に、誰にも見られずに実行可能だろうというのはわかったけど、朝まで騒ぎがなかったんだよなと」

テスタメンツのアゼルは旧市街ではなく東通りに住んでいるので、トリニティから橋に向かう途中でやられている。サーベルバイパーのコウキも寝座があるのはイグニスの近くにある廃屋に向かって途中でやられている。
トリニティとイグニスが反対方向にあるように、二つの事件現場も正反対の方向だった。

「事件が起きたのは同じ日の夜だ。同じ時間かはわからないけど、一人のところを襲撃された。これが偶然、お互いを襲撃することになっても、一人を襲撃するのに何人かは必要だ。そうなるとお互いにそれなりの人数が動いたことになる
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