26話
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陰湿な行動は取らないのではないか、そういう印象を受けた。
「被害者の様子を教えてくれないか?テスタメンツの被害者は意識不明なんだが、そっちの被害者の怪我はどのくらいなんだ?意識があれば話を聞きたいのだけど」
「全治一ヶ月の打撲骨折、意識はあるが怪我は青坊主よりは重いくらいだ」
「意識があるのか、ならちゃんとした目撃証言になるな」
「ああ、コウキが言うにはいきなり遠くから石が飛んで来てそれが当たって気絶した。気が付いた時にはタコ殴りにされていたと言っている」
「気絶した?それじゃテスタメンツを見てないのか?」
「旧市街の夜の暗さを知らねえみたいだな。近くならともかく離れたところでは誰かいたぐらいしかわからねえよ。だが、ここらで俺ら相手にスリングショットを使い気絶したところをタコ殴りに来る命知らずなやつは、ほかにはいねえよな?」
「だが、状況証拠だけだろう?」
「ここで俺らに逆らう馬鹿はテスタメンツだけなんだよ!ほかに誰がやるってんだ?」
脇に控えている幹部級の男、広場でバイパーのメンバーからルガノフと呼ばれていた男が断言した。
不審な状況証拠はあってもサーベルバイパーはテスタメンツがやったと信じている。そして違うという反論が出来る情報を持っていない支援課は不審がある、確実じゃないとしか言えなかった。
「じゃあなんでテスタメンツの怪我の重さを知ってるんだ?」
「怪我が酷いからさすがに病院に連れて行くべきだと俺が朝一番で救急車を呼んだんだよ。そうしたら青坊主共も乗ってきたからな。難癖付けてきやがって今思い出してもムカつく奴らだ」
言うべきことは言ったとヴァルドは話を打ち切ってきた。
「話は終わりだ。さっきも言ったが細かい事情はもうどうでも良い。今回のことは青坊主共と決着をつける良い切っ掛けになったんだ。邪魔するんなら良いぜ?まとめて叩き潰してやるからよ」
「挑発には乗らないよ。捜査協力に感謝する。何か分かったら連絡するよ」
「そうか?お前らの捜査とやらがどうなろうと関係なくこの辺りで血の雨を降らせるから、覚悟しとけよ」
「話は済んだろうが。さっさ失せろ、無能チワワ!」
ヴァルドはイグニスの奥に消えて、それに続いた幹部級の一人、ジェドと呼ばれていた男がこちらを罵って帰るように促された。
これ以上の情報収集は無理だと判断して乾かしていた上着を取ってイグニスから出ると出入り口ではディーノが火をつけるときに投げ込んで割れた瓶やらの片付けで忙しくしていた。
水を掛けてくれたお礼を言うと、
「オレが邪魔しなきゃお前なんかヴァルドさんにボコボコにやられたんだからな。良い勝負したとか勘違いすんなよ」
そう言い返されて、この少年もヴァルドを信奉しているのだ
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