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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-18
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くる苛立ちだった。そう考えた時にはもう口に出ていた。理性が抑え込むより、本能が爆発する方が早かった。
「――――出て行って」
「……え?」
「出て行ってって言ってるのが聞こえないの!? もう顔を見たくない。だからそこにいる奴ら連れて出て行ってよぉっ!!」
「り、鈴。そんなに言う必要は――――」
シャルルは必死に鈴をなだめようと話しかける。だが、鈴は全く取り合わない。今ここに自分のISが在ったら、今にも襲い掛かってきそうな剣幕であった。もう癇癪を起こしているとシャルルは思ったが、どうやらそうでもないらしい。どうすれば分からないが、取り敢えず落ち着かせようと言葉をかけるが、鈴に遮られた。どうやらかえって逆効果だったらしい。
「うるさい! 私の気も知らないで、勝手に暴れたやつのことなんか嫌いよっ!! 早く出て行け……。早くそんなやつら連れて出て行けぇ!!」
「鈴……。――――分かった。また、来るよ」
「……もう来なくていいわ。来ても話すことなんて、ないから」
鈴に言われ、ショックを隠し切れないシャルルだったが、ここは大人しく出て行くことにした。一夏に肩を貸して、自分だけじゃ重いからセシリアに我に返ってもらって手伝ってもらい、医務室から出る。
「……ねえ、そこで眠ってるやつに伝言をお願い」
「…………なにかな?」
シャルルは医務室の扉の前で歩みを止めた。隣ではセシリアが何か思いつめた顔をして考え込んでいるから話は聞こえていないだろう。だから自分が聞くことにしたシャルル。何を言われてしまうのか怖かったけど、聞いておきたかった。鈴の想いを。鈴の本心を。
「――――『さようなら、一夏。また、会いましょう、織斑』」
その言葉の意味をシャルルは一瞬で理解した。理解してしまった。もう後戻りできないところまで来ていた。
鈴の心の壁は、固く、閉ざされていた。
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