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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第374話】
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どうだろうか?」
そう伝える織斑千冬の言葉に、少しざわつく教職員。
「……しかし、彼のアリーナ使用時間を越えるというのは、私的でアリーナを私物化してる様に思えるのですが? ……彼がいつも使用時間を越えるから、私のプライベート時間も削られるんです……」
そう言ったのはアリーナを管理している教職員の一人、いつも有坂緋琉人が頭を下げて謝るのを見ても、自身のプライベート時間も削っていく彼には悪い印象しかなく、もし自分の担当するクラスの生徒なら×評価にする所だっただろう。
勿論、教職員としてそんな私念は許されていないのだが……それだけ彼のせいで見たいテレビを見逃したりしている彼女にとっては許せないのだろう。
「……生徒が頑張っているのなら、それを応援するのが教職員の勤めでしょう? 確かにプライベートを削るかもしれませんが、それは有坂君も同じだと思いませんか?」
そう言ったのは、織斑千冬の隣でレポートを書いていた一組副担任の山田真耶だ。
その言葉に、文句を言っていた教職員も口を真一文字に結ぶ。
「私も彼の全てを把握してる訳じゃないですけど、朝は確か他の生徒より早く起きてからこの学園島を一周して体力強化を行ってるのは私も何度も目撃してますし。 部屋でも彼は寝る時間を削って色々勉強してるのでは無いのでしょうか?」
「……ですが、一部女子が有坂緋琉人の部屋に入っていくのを見てる生徒も居ますよ? 中で何をしてるかは知りませんが……そんな彼がプライベートな時間も削ってるとは到底思えないのですが」
一人の教職員言葉は最もだと頷く一同に、織斑千冬は――。
「……有坂の部屋に入って行くのは主にここに映し出されている代表候補生だろ? 彼女達の大半は彼に好意を抱いてるのは既に明白済みだ。 彼自身が彼女達の部屋に夜遅くに来訪するといった話は聞かないが?」
「そ、それは……」
確かに、有坂緋琉人から夜中に女子生徒の部屋に入るという話は聞かない。
それどころか、玄関前で会話する所を見る方が多いと聞いていたのを思い出す。
「まあ女子生徒が夜に男子の部屋に行くというのは教育上良くはない。 だが諸君にも少し覚えがあるのではないだろうか? 想い人と少しでも長く一緒に居たいという気持ちは、誰しも心覚えがあるはずだ」
織斑千冬の言葉に、確かにと声をあげる教職員の声が波紋の様に拡がる。
「代表候補生生徒も、ちゃんと規則を守って有坂緋琉人の部屋に行っているのだから、そこは諸君も彼や他の代表候補生を信じてもらいたいものだ。 幾らランクが低くても、人はそれだけで全てを測る事は出来ないのだから」
そんな織斑千冬の言葉に、思わず頷く教職員。
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