プロローグ
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呆。事実だろうが」
一夏は抗議するが、取り合ってもらえなかった。
姉の千冬には馬鹿者と呼ばれ、同じ男性操縦者の歩には阿呆と呼ばれ。大人は厳しいなぁ、と痛感した一夏であった。
◆ ◆ ◆
一日目の授業は全て終わり寮に帰る途中、また一夏が歩に話しかけた。
「初日からこれじゃ先が思いやられますね、岡崎さん」
「ああ。そうだな」
そっけなく返す。というか興味が無さそうに答えた。なんか後ろから女子生徒のはしゃぎ声が聞こえる。二人の後ろについて行っているようだが―――そもそも彼女達の部屋がある寮も同じ方向なので当たり前―――どちらかというとまだ近寄りづらい雰囲気があるのか、一夏よりも歩の方がついてくる人数が少ない。
だが歩本人はそんなこと気にする事もなく別の事を考えているようだった。
◆ ◆ ◆
翌日の寮の食堂。一夏は幼馴染の箒を見つけると、足早に駆け寄る。歩は気を効かせ、人の少ないテーブルに行こうとしたのだが、悲しいかな一夏が一緒に食おうと誘いやがったもんで、気遣いが無駄になってしまった。下水道に落ちて腐ってしまえ。
一夏は箒の隣に、歩は一夏の向かい側に座る。その少し女子三人組が一夏の隣に座る。その数秒後、一夏と口論した箒が、更にその後間もないうちに歩が朝食を終え、食器を片づけに行く。
歩は内心助かったと思った。何故なら、食器を片づける事に手間取っていたら、自分達に注目している女子生徒達の格好の的だ。そんなこと昔から人見知りである歩にとってはなんとしても避けたかった。人見知りのせいでボロが出てしまえば、今まで装っていた「かっこいい男の人」のイメージが崩れかねないからだ。
そもそも、最初一夏が箒に近づいたときに離れようとした時も、あまり他人と会話したくないからである。それをヤツは気付かず―――むしろ気付いたら困る―――声をかけた。基本的には良い奴なのだろうが、鬱陶しい事には変わりない。
食器を片づけ、歩はそそくさと食道をあとにした。
◆ ◆ ◆
今日のHRではクラス代表を決める事になった。いわゆるクラス長である。これに何を思ったのか、バカ女共が織斑を推薦してきやがった。あんな客寄せパンダ如きに何ができるものか。それならかなり勘違いしているが、自信家であるセシリアに任せた方がまだ遥かにマシだ。
そう思った歩は織斑織斑と五月蠅い中、一人だけセシリアを推薦した。
この時、当のセシリアが心の中でナイスですわ!と褒めた事を歩は知る由もない。
だがその後のセシリアの言動がまずかった。言うにもこと書いて日本の事を馬鹿にしたのである。
(やっぱ、言わなけりゃよかったな)
と歩は心の中で悔やむ。
これが癇に障ったのか一夏が今度は彼女の祖国であるイギリスを侮辱。これにキレたセシリアが一夏にISで
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