暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜27歳のIS操縦者〜
プロローグ
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「えっ!?」
急にこの事態を収拾する事を任された山田はちょっとばかしうろたえるが、そこは元代表候補。すぐに平静を装うが、生徒達には内心穏やかじゃないのはバレバレである。

千冬と歩はすぐに教室から出て行き、保健室へ向かう。
 その途端ざわざわと生徒達が話だしたので教師として山田は一言注意をする。
「み、皆さんも……も、もしかしたらあるかもしれないので気をつけましょねー……あは、あはははは……」
何気に恐い事をいう山田真耶。千冬のファン達も若干見る目が変わったという。授業を再開するよりもまず先に飛び散った血を片づける事の方が先決だ。

◆ ◆ ◆






◆ ◆ ◆

授業の終了を告げるチャイムが鳴る。やはりまがり間違っても大の大人。同い年の少年と違ってそれ相応のモノは備えているようだ。今のうちに牽制しておいても悪くないだろう、とセシリアは先程の織斑達とのやり取りを見て考える。
「ちょっとよろしくて?」
「おお、イギリス代表候補生の」
「そう!私こそがイギリスの代表候補生にして選ばれし超エリートのセシリア・オルコットですわ!」

セシリアが歩に話しかけ、歩がそれに答える。もっとも、傍から見ればその会話はセシリアが自慢し、歩がそれを当たり障りのない褒め言葉で返す、という読みもへったくれもない単純なものであるのだが。
それでも自信家であり、褒められる事が大好きなセシリアにとって彼女の歩に対する好感度を上げるには充分だった。
(見た目だけで決めるのは私としたことがらしくありませんでしたわ)
反省するもセシリアは基本見た目でしか決めていない。ほぼ自分が自信家なせいもあり、第一印象と先入観で状況を思いこみ、重大な失敗をしてしまう事が多々ある。しかし本人はそれに全くと言っていい程気付いていない。女性のアピールに気がつかない一夏といい勝負である。

「なあ、代表候補生って何だ?」
「あなたそんな事も知りませんの!?」
その時一夏が話に割り込んで余計な事を言ったもんだから、セシリアは憤慨。
「オリンピック選手って言えば分かるか?」

ISは本来、宇宙空間での運用を目的としたパワードスーツだったのだが、今やその計画は断念し、もっぱらスポーツの一つとしての面がある。だからこの例えはあながち間違いではない。ただスポーツとして使用するには強力すぎる兵器の数々について疑問であるが。
「うーん…まあ、何となくは…」
「この通り、こいつは阿呆だから一々気にしてたら身が持たんぞ」
「ふう……そうみたいですわね」

ぷんすかと怒るセシリアに歩はそう言ってなだめる。一夏のとんでもない無知っぷりに呆れたセシリアはこの程度で納得したのか、二人の元から去っていく。
「あの、岡崎さん……言い過ぎじゃないですか?」
「阿
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