35話
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らいでしょう。私も普通に話すからあなたを話しやすい話し方でけっこうよ。私の呼び方もヴィクターでいいわ」
それは助かる。やっぱりこの話し方は面倒だ。
「お言葉に甘えて普通に話させてもらう」
夕は口調を崩す。
「ええ。そちらの方が私も楽ね」
ヴィクターの口調がすこし変わる。
「それで俺を呼んだ理由は何だ?おにぎりのお礼だけなら屋敷に呼ぶ必要はないと思うんだが?」
夕はずっと思っていた疑問をぶつける。
「お礼をしたいと言うのは真実よ…でもそれは次いでの理由。本当は話して見たかったのよ。雷帝の血を引き継ぐ者としてベルカ時代の近接最強を誇った獅子王の血を引き継ぐ人物と」
なるほど王関連の人間か、下手な理由より納得できる。夕は納得したよう頷く。
「あなたが獅子王の血縁者であるとわかったときは本当に驚いたわ。戦乱時代に失われたと思われていた獅子王レグルスの血が今も続いていたんだから」
聖王教会の偽装記録には夕は別世界(第97世界)に渡った獅子王の血縁者で数年前にベルカ時代を知る考古学(ユーノ・スクライア)に発見されたことになっている。
「俺も王の記憶が行きなり頭の中に現れてたときは驚いたよ。俺の世界の歴史を調べてもそんな王ははいないし、家の倉に俺にしか読めない(古代ベルカ語)書物はあったけど資料はそれだけ。俺を鍛えてくれた人に協力してもらって記憶にある技は再現できるようになったけどそこで手詰まりだ。ベルカ時代の歴史を知る考古学者と出会わなければ今だにわからずじまいだったろうな」
「そう、記憶を思い出した時は大丈夫だったの?」
「かなり混乱したな。いきなり誰のものかもわからない記憶が入ってきて数日は記憶がごちゃごちゃして変な気分だった」
「大変だったのね」
同情してくれているヴィクターを見て嘘をついていることに僅かに罪悪感が沸く夕だった。
「まあ、自我が確りしてからだったから記憶にそこまで振り回されることがなかったのが唯一の救いだ」
「そう」
夕はヴィクターがどうだったのか敢えて聞かなかった。彼女の様子を見て王の記憶で苦労したのがわかったからだ。
「そう、それはよかったわ」
それから10分ほど王の記憶について話をした。それから先はもっぱらどんなトレーニングしているかという話になった。ヴィクターは試合を見て自分より夕が思っているらしくどうやって修行している気になったようだ。なので夕は自分のトレーニングメニューやマグロにならった効率の良い鍛え方をヴィクターに教えたりした。夕食もご馳走されヴィクターの友人の話も聞いたりした。
「そう言えばあなたは来年もDSAAにでるの」
ヴィクターの質問に夕は腕を組んで考える素振りをする。
「正直迷ってる。そこまでD
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