暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第5話 「放課後、T&Hへ」
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を開いた人間がいた。
「アリサ、あのね……ショウさんはT&Hの店員じゃないよ」
「え、そうなの?」
「うん……ショウさんはロケテストに参加してたデュエリストのひとりなんだ。それに昨日はブレイブデュエルの一般解放。どれくらい来店するか分からなかったから手伝ってもらったんだ」
フェイトの説明にバニングスは納得の表情を浮かべる。
この表情を見た限り、今以上の説明は不要だろう。まあバニングスは聡明な子のように思えるし、フェイトの説明は要点を抑えつつ簡潔な説明だったので補う部分はこれといってないのだが。
そんなことを考えていると、誰かが隣に来た気配を感じた。視線を向けると、こちらを見上げている黒髪の少女が視界に映る。
「どうかした?」
「えっと、ふと気になったことがあるんですけど質問いいですか?」
「どうぞ」
「フェイトちゃんは確かロケテストで全国2位だったんですよね。ショウさんはどれくらいだったんですか?」
俺がフェイトよりも下だった場合、中学生が小学生に負けていることを意味する。普通に考えれば、それは相手に嫌な思いをさせかねないだろう。
月村は純粋に気になっているだけであって他意はなさそうに見えるが……こんな風に深読みするからアリシアなどに色々と言われてしまうのかもしれない。
「俺には全国で何位って称号はないよ」
「そうなんですか?」
「ああ……君達よりも経験があるってだけだから、王子様みたいな言動を求めないでくれると助かるよ」
「それって恥ずかしいからですか?」
「まあね。そういう扱いを受けたことがないし、そもそも柄じゃないから……正直、俺よりもフェイトのほうが王子様っぽいだろ?」
月村はきょとんとした後、くすくすと笑い始める。何気ない仕草に上品さが感じられるあたり、彼女は育ちがいいのかもしれない。
「ショウさん、フェイトちゃんは女の子ですよ」
「それは……いやまぁ、女の子に王子様ってのも変な話だけど。ただデュエル中のあの子は凛としてるから」
「その気持ちは分かりますけど……やっぱり女の子は王子様よりはお姫様扱いされたいと思いますよ。それにショウさんにだっていつかは誰かの王子様になるんでしょうし、今から頑張ってたほうがいいんじゃないですか?」
……この子、本当に小学生か?
背丈や服装はともかく、言動からは俺の学校の女子よりも大人っぽさを感じる。いったいどういう風に育ったならば、この年でここまでしっかりした子に育つのだろう。この子の性格をアリシア達に分けてやりたい。
「月村はしっかりしてるね……それとどことなくイイ性格をしているように思える。まあ、あのふたりと一緒にいたのなら理解できなくもないけど」
「最初のはまだしも、性格あたりからって絶対良い意味で言ってません
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