暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第5話 「放課後、T&Hへ」
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わけだが、何というか発せられている雰囲気がバニングスや月村とは明らかに違うように思えるのだが……。

「それにしても、今のフェイトってブレイブデュエルの時とまるっきりイメージ違うわね」
「そう……かな?」
「初めて見たフェイトは凄いデュエリスト! って感じだったし」
「大人の人に勝ってたもんね」

 大人だからといって、全国ランキング2位のフェイトに勝てというのは厳しい注文だろう。
 それにしても、会話が充分に聞こえる距離まで近づいているというのに気づかれないというのは、俺の存在感がないということだろうか。まあ存在感があるほうだとも思ってはいないし、話すことに夢中になっているようなので別に構いはしないのだが。

「なのはに至っては、初めて見たときとかぽーっとしてたわよね。学校でもずっとフェイトのこと見てたみたいだし」
「いやっ、あの……カッコよかったなぁとか綺麗だなーって考えてただけで」

 否定しようとしたんだろうが、この子墓穴を掘ってるな。いきなりのことで動揺して言ってしまっただけなのだろうが。

「う、うん、ありがとう」
「うぅ……もうアリサちゃん、ここでそれはひどいよ。私、フェイトちゃんのことばかり考えてないのに」
「へぇ……あぁ、それもそうよね。なのはにはあの人もいたわけだし」
「あの人?」

 フェイトのことばかり考えていないと自分で言ったのにも関わらず高町は首を傾げている。近しい人間であるバニングスに心当たりがあるのだから、彼女自身が知らないことではないはずだが……天然なのだろうか。

「何とぼけてるのよ。ショウさんよ、ショウさん……あんたにとって王子様みたいなものでしょうが」
「にゃっ!?」

 奇妙な驚きの声を上げた高町は顔を赤く染めているのだろう。耳まで赤くなっているのだから、顔が赤くなっていないはずがない。
 ――今のくらいで赤くなるなんて純粋なんだな……何か俺まで恥ずかしくなってきた。そもそも王子様なんて柄じゃないし。というか、この子は俺の存在に気づいてて一緒にからかっているんじゃないのか?

「あのさ」

 声をかけると、少女達の視線がこちらに集まった。バニングスは慌てた素振りを見せながら声を上げ、高町は体調が心配になるほど赤面する。

「ショ、ショウさん、いいいつの間に!?」
「さっきから私達の後ろにいたよ。ねぇ?」
「うん……私が気が付いたのはさっきだけど」
「何ですって!? ……って、すずかにフェイト、知ってたんなら教えなさいよ!」

 バニングスはやる側かと思っていたが、実際はやられる側なのかもしれない。この反応の良さを見ると、俺でもからかってみたい衝動を覚えるのだから。
 それと……月村って案外性格悪いんだな。見た感じ大人しそうで気遣いのできそうな
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