8 「ふりそそぐ空」
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婚期を逃したのは、留まるところを知らぬその激しい妄想癖によるということを、本人はこの先半永久的に知ることは無い。
そしてナギが今回の『心配させたお詫びにデートしなさい!きゃっ?作戦』(カミラ命名)がカミラの発案によるものだということを知ることも、半永久的に無い。
一方、雑貨屋を脱出してから裏道を通り通り、ようやく新宅前まで戻ってきたナギはといえば。
「ふう、どうにか逃げ切れたか―――」
「―――だぁれが、逃げ切れた、ですって?」
凍る背筋。そうだ、カミラさんの怒涛の質問ですっかり忘れていた。俺は当初からこの3人娘から逃げていたのではなかったか。
「ナギさん、凍土に行き掛け、私たちにした約束、覚えてますよね? “全て話してくれる”って」
「……ハイ」
「お兄様、私、約束を守らない人って嫌いです。お買い物、付き合っていただけますよね? 午前中はちょっと気乗りしなかっただけですものね、お・に・い・さ・ま?」
「ハイ、スミマセン。オ供サセテクダサイ」
「そりゃそうよねえ。こ〜んな良いお買い物日和なんだもの。ねえ?」
秋の澄んだ蒼穹が目にまぶしい。おかしいな、目から栄養剤グレートが……って、このネタ以前にも使った覚えあるな。
そんなわけで、晴れやかな青空の下、俺は少女3人に囲まれて自宅へ連行されていったのだった。
なんか、疲れた……。
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