8 「ふりそそぐ空」
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子乗りました許してクダサイ」
「いいからさっさと答える!!」
「イエス、マム! 自分は流行に詳しいわけでも無く何年も山籠もりしていたひきこもりであるため、同性のオディルさんやそういった事に明るそうなカエンヌやロウェルも一緒に居た方が有意義な時間を過ごせると思ったからであります!」
なんかもうどうでも良くなってきた。もうだめだ、この人目が座ってる。コワイ。真砂さんを連想させる。コワイ。
カミラさんはなぜかぽかんと口を開けて、暫く何を言ってるか理解してないようなしぐさを見せた。
「……え、それ、まさかあの子達に言った?」
「え? ああ、言いました…けど……」
その時の状況を思い出して、再び背筋が寒くなる。
「そしたら、悪鬼の形相でにらまれました……」
「うわぁ……。あんたそりゃ…よりによってクロッツェンとこの坊やを出しちゃまずいって……」
「雪路はともかく、リーゼとエリゼはロウェルと仲が良いのに、ですか? 幼馴染でしょう? よく門前で話してるのも見るし」
「話すって言うか…クロッツェンの坊やがエリザに要らぬちょっかい出して噛みつかれてるだけでしょうよ…」
そうだろうか? “喧嘩するほど仲が良い”とも言うが。
首をかしげるも、それを見たカミラさんがなぜか「だめだこりゃ…」というのを耳が拾った。解せぬ。
「想像以上の強敵だわ……!!」
「え? 今なんて?」
「いーえー何でも! 何でもないの! ムフフフフ、いえ、敵は手強いほど堕とし甲斐があるってもんよ……!」
最後の方は背を向けられてよく聞こえなかったが、どうやら事情聴取は終わったらしい。ここは三十六計逃げるに如かず。
体をクネクネさせてなにか独り言をつぶやきまくっているカミラさんに、聞こえていないだろうが小さく匿ってくれたお礼を言ってから裏口から逃げだした。
「ここは恋のキューピット、カミラ・バルテンの腕の見せ所ね! ウフフフフ、腕が鳴るわぁ。ええと、忘れる前にメモ取んなきゃ。『予想外に鈍感で、年上派』…と。それじゃ次の作戦はどうしようかしら。まさか、ここまであからさまなデートのお誘いでただの買い物と勘違いされるとは……鈍感って残酷だわ。あとでリーゼちゃんたちのフォロー入れておかなきゃ。じゃ次はもうちょっと過激に……お風呂でドッキリ? それとも夜這い? うーん、悩むわねぇ。これはまだまだ作戦の練度を上げていく必要があるわね! さて良い情報が取れたことだし(脳内)作戦会議に行こうかしら。あ、ナギくん、引き留めちゃってごめんねもういいわよ―――って。あれ、一言声かけてくれれば良かったのにィ!」
雑貨屋の女店主とは仮の姿、真の顔は恋のキューピッド! カミラ・バルテン、三十ピー歳。
彼女が
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