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Monster Hunter ―残影の竜騎士―
8 「ふりそそぐ空」
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回ってるんだ!」
「笑い事じゃありませんよ……」

 ひときしり哄笑したおかみさん―――カミラさんというらしい―――が、「まあ…」と少し言葉を濁して、微笑んだ。

「あの子達が元気になったんなら、私らは全然かまわないんだけどね。ナギくん、ありがとうね」

 曖昧な笑みを浮かべて、うなずいた。別段自分が何をしたという自覚は無い。リーゼとエリザが俺を慕ってくれているのは分かっているが、それも正直、出会いから2か月経った今でさえ、あまり実感が湧いていないんだ。

「買い物って、女の子たちだけで行った方が楽しいだろうに……」

 意識しないでこぼす。それを聞いたらしいカミラさんはふと笑みの種類を変えると、ちらっとこちらを流し見た。……なんだか嫌な予感がする。

「と・こ・ろ・で♪」
「じゃあ俺はこれで」
「待ちなって、お兄さん! せっかく匿ってあげたんだ、お姉さんの質問に答えるくらいいいじゃないか!」

 逃亡失敗。

 ハンターもびっくりの握力で俺の腕をつかんだカミラさんは、「ムフフ」とか何やら怪しい声を漏らしながら俺を店の奥へ連れ込む。嫌な予感しかしない。

「ナギくん、ぶっちゃけた話さ……好みは年上だったりするわけ?」
「は?」
「いやだって、あれだけ各種美少女に一緒にショッピングに誘われておいてなんとも思わないって、つまり、あの子達には興味ないってことかナーって、お姉さんは思うわけよ。ねえ?」

……俺もしかして琴線触れちゃった?

 木製の椅子を2つ引っ張り出したカミラさんは、大きい方にドシンと腰を落ち着けてからもう1つを俺に勧めた。……ああ、お尻の大きさが違うんですね。というかこれはアレですか、「逃しはないよ」ってことですか。まさか座面に接着剤とか……それは無いか。

「それで、質問に答えてくれないかな? ウン?」
「……し、質問とは」
「ウフフフフ、とぼけるのも大概にしなさいな。……で? 年上派なの?」
「……ええと……」

 なんだ。なんなんだ。
 何故こんな答えにくい質問を投げかける。俺が何をしたっていうんだ。
 しかし、実際どっち派と言われたら、どっちだろう? 前は年下派だったけど。うーん。魅力を感じるとしたら……

「年上、かも」
「あちゃー……」
「……す、すみません?」

 っつーか何。なんで俺こんな今日初めて名前知ったような人と恋愛話してるんだよ。
 胸中の叫びもむなしく(こんな時は表情を隠すマスクが少し邪魔だ)、額に手を当てて何やらメモを取り始めたカミラさんは、うんうんと悩んでからまた違う質問を投げかける。

「さっき買い物は女子だけで行った方が〜とかなんとかかんとか言ってたけど。そこんとこもうちょっと詳しく言ってくれない?」
「……すいません調
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