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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第373話】
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……どうしようもなく落ち込んだ時は、力になるといいんだよ」
「そ、そっか……。 ごめんね、ヒルト。 優しい言葉掛けるだけでもって思ったんだけど……ちょっと安易過ぎたね? 反省反省……えへへ。 でも話を聞くのは悪くないよね?」
顔を上げて見上げる美春に、力強く頷く。
「あぁ、話を聞くのは悪いことじゃない。 コアでも話を聞いて欲しいときはあるはずだしな、これが」
「うん。 ――あ、長々とごめんね? ヒルト、もう模擬戦始まってるみたいだし、行こっ?」
そう言って手を取る美春に連れられ、来た道を戻ると徐々に模擬戦を行っているであろう金属音が耳に届いてくる。
観客席ゲートの階段を上がると視界に映ったのはつばぜり合いをする一夏と鷹月さんの姿がそこにあった。
慌てて皆の元へと戻り、飲み物を手渡すと俺は現状をラウラに聞く。
「ラウラ、試合は――」
「大丈夫、さっき始まったばかりだ。 今はつばぜり合いの最中で試合は拮抗している」
コーヒーを開けると一口飲むラウラ――入ってきた時から変わらず、つばぜり合いのまま二人が拮抗した状態が続いていた。
「クッ……」
一夏の表情が少し険しくなる――それを見た鷹月さんは。
「やあッ!」
拮抗した状態のまま、脚部、脇腹と左脚部で二枚蹴りを入れる鷹月さん。
その姿に、いつもの大人しさは見えなかった。
つばぜり合いが解除されると同時に、速攻による突きがシールドバリアーを突き破り、絶対防御を発動させてエネルギーを削る。
「クッ……このォッ!」
「……!」
接近戦は一夏の間合いだが、雪片の一撃は鷹月さんには当たらず、避けた彼女は更に突きによる攻撃でダメージを与えていく。
ヒラヒラと舞うように一夏の攻撃を避け、的確に絶対防御を発動させてエネルギーを削る戦法は前と変わらない印象を受けるが、少し一撃が鋭くなってるのは気のせいだろうか……?
「ッ! 俺の得意な接近戦だってのに……何で当たらねぇんだよ!」
二連敗してる為か、冷静さを欠いた一撃は鷹月さんには見極められ、避けたと同時に強烈な突きが何度も絶対防御を発動させる生身の箇所に当たり続ける。
これだけ動けるのであれば、下手に離れて戦うよりかは離れずに攻勢に出る方が理に叶ってるだろう。
冷静に一撃を加える鷹月さんとは真逆に、どんどん冷静さを欠く一夏の攻撃は、段々と大振りが目立ち始める。
威力の高い一撃で振り出しに戻したい意図は分かるが、あれでは誰でも見極められるだろう。
「……勝負は決まったな」
「……だね。 明らかに一夏、冷静に対処出来てないもん」
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