十六話 終闘
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ところに太い横線が見える。
だから、その線をなぞるように切る。
「ふっ!」
(おぉぉぉ!)
内心は直線から三角定規がズレないか、それが心配で仕方がない。
ちなみにさっき倒したシャドウも共に、頭にあたる仮面に大きな点が見えるのだが、そこは怖くて攻撃する気にならない。
さっきと同じように線をなぞられたシャドウは溶けるように消える。
「はぁ、はぁ・・・」
息が上がる。
影時間で行動するのは初めてにも関わらず、あれほど激しい運動をしたせいか体力の消耗が激しい。
そのうえ、魔眼を2つとも戦闘で使ったため精神的にもくるものがあった。
「た、助かったの?」
後ろからそんな声が聞こえた。
「たぶ・・・ね・・・はぁ、はぁ」
息がしづらい。
「だ、大丈夫ですか?」
「だいじょう、ぶに・・・はぁ、はぁ・・・見える?」
(やっべぇ!足が今になって震えてきたぁ!)
シャドウに切りかかり(?)にいった時から止まっていた足の震えが、今になって戻ってきていた。
「ご、ごめんなさい・・・私のせいで・・・」
「きにすんなっ・・・て・・・はぁ、はぁ」
ドサッと女の横の地面に腰掛ける。
俺が座った瞬間に、ビクッと横で震えたが、そこは気にしないことにした。
「にしてもさ・・・なんだったんだろうな」
頭上の月を見上げながら言う。
「わ、わかんないです・・・それに、こっから戻れるかも」
女は膝を抱えだした。
「きっと、すぐに元に戻るさ」
(頼むから!頼むからもう戻って!もう戦闘とか無理!)
内心は土下座ものだったが、表面上は女を安心させるように言う。
「・・・でも、すごいんですね」
「何が?」
「さっきの黒いの倒しちゃったし」
「あぁ・・・あれか、なんてか我武者羅だったし」
「しかも、武器はそんな頼りないオモチャだし」
「これね、これは数学の先生からもらった由緒正しき三角定規なんだよ。断じてオモチャではない、三角定規だ」
「さっきの化物に対しては同じようなものです」
俺はさっきまで握っていた三角定規を見つめる。
「ま、確かにな」
「・・・名前」
「ん?」
「名前教えてくれませんか?」
「あ、そうだね。俺は琉峰彩、月光館高校1年」
キーホルダーをポケットに仕舞いながら言う。
「え?1年生!?」
「お、おう」
女があまりにも大きな声を上げたので、少々驚きを隠せぬまま頷く。
「年下・・・だったんだ」
「あーそれより、君は?名前なんての?」
「あっ、ゴメン。えっと、私は暗越楓
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