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万華鏡
第七十五話 大雪の後でその十三

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「私も好きじゃないのよ」
「そうですか」
「それじゃあね」
 ここまで話してだ、部長は全員揃ったと見てだ。あらためて部員達全員に言った。
「今日の部活だけれど」
「グラウンドは使えないわね」
「いや、それがなのよ」
 副部長に顔を向けて言葉を返すのだった。
「グラウンドの雪をなのよ」
「まさかと思うけれど」
「そう、雪かきをしろってね」
「そうしたお話になったの」
「グラウンドを使っている部が総出でね」
 雪かきをするというのだ。
「そうなったのよ、さっき生徒会長から言われたわ」
「また急な決定ね」
「そうでしょ、会長急に私のところに来てね」
「言ってきたのね」
「部活に行こうと思ってたらよ。本当に総出でね」
 グラウンドを使っている部が、というのだ。
「そうなったから」
「それじゃあ今から」
「そう、雪かきよ」
「それが今日の部活ね」
「何か学校全体でするみたいよ。忙しい部活以外はね」
「また大掛かりな話になってるわね」
「この大雪だから雪をどうにかしないとって。生徒会も言って」
 そしてというのだ。
「生徒会も雪かきに参加するって言ってるわ」
「自ら動く生徒会だからね、あのメンバー」
 ここでこう言ったのは書記だ。この学園の生徒会はまず自分達が率先して動いてことをしていくことで知られている。
「だからまずはなの」
「そう、自分達でもね」
「じゃあ言いだしっぺがするのならね」
「私達もね」
「やりましょう」
 書記もこれで納得した、そして部長はあらためて全員に言った。
「じゃあ今日は雪かきで汗をかくわよ」
「はい、わかりました」
「それじゃあ今から」
 部員達も部長の言葉に応えてだった、そのうえで。
 女子軽音楽部は今日は雪かきをするのだった。部長はその雪かきの中で部員達に雪をかくスコップを手に言った。
「いい?明日からね」
「明日からですか」
「そう、明日から節分ライブに向けて本格的に練習はじめるわよ」
 言うのはこのことだった。
「いいわね、そのことは」
「そうですか、いよいよ」
「本格的にですね」
「そうよ、気合入れてやるわよ」
 その練習を、というのだ。
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