暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
新たなる力へ
Trick66_“ケリ足”ではなく“軸足”
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「みんな感じていると思うけど、7秒以内に走りきれる人がいない♪
 最初に7秒台を出した婚后さんも、午前中からずっと練習をしてはっきりとした成果が出ていない♪

 それには何か理由があると思うの♪」

「そうですわね。わたくしの力をもってしても、明日までに間に合いそうに
 ありませんわ。まさに壁があるようにタイムを縮める事ができませんわ」

「だから、一度落ち着いて状況を整理しようと思うの、ね♪」

美雪の指示の元、色々な意見が交わされた。

その意見の中で、御坂が言った一言が、話題の中心となった。

「A・Tで、一番スピードが上がる瞬間ってどんな時かな?」

「それは強く地面を蹴った瞬間だと思います」

「わたしもですわ」

湾内、婚后が蹴る瞬間と答えたのに対し、泡浮から別意見が出た。

「わたくしは少し違うと思います」

「え、どういうこと?」

「実は≪走る≫の途中、足を交差させてしまい転びそうになったことがありました。
 そのときに足が前に出せずに軸足に全体重が乗ってしまったのですが、
 地面を蹴って≪走る≫をしたときよりずっと速くなったのです」

「軸足に全体重が乗った時ですか・・・・」

「試しいやってみよう♪」

「それじゃ私が」

美琴が全員を代表して手を上げる。

左足だけで立ち、右足を前に出して、同時に左足を浮かせる。
前に出した右足に全体重が乗る。通常の1本脚立ちではなく、意識して体重を乗せてみた。

「おっ!?」

急激な加速。バランスを崩すほどの加速だが美琴も伊達に練習していたわけではない。
傾いた体を立て直して、どうにか転ばずに済んだ。

「う〜ん・・・泡浮さんが言っていた方法だけど、やっぱり地面を蹴った方が
 速いんじゃないかな?」

美琴が実際にやってみた感想としては、婚后と湾内の意見に賛成だった。

「そ、そうでしょうか・・・・」

「琴ちゃん琴ちゃん、何言っているの♪?
 泡浮さんが言っていた方法と違うよ♪」

「え?」

「琴ちゃんは体重を全部乗せたけど、泡浮さんが言ったのは転びそうになった時だよ♪?
 転びそうになったってことは、体重を乗せるのはもっと長い時間のはずだよ♪」

「長い間・・・乗せる」

美雪に言われて、やり直してみる。

左足だけで立ち、右足を前に出して、同時に左足を浮かせる。
前に出した右足に全体重が乗る。

急激な加速。バランスを崩すほどの加速を、美琴は左足を出すことで体勢を直そうとするが
美雪の言葉を思い出して我慢する。

「うぉー!?」

先程よりも、軸足の右足に体重を乗せる時間が長くなった。
崩れそうだが崩れないバランスで加速を続ける。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ