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少年と女神の物語
第八十五話
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いるんだけどなぁ・・・
 まあでも、イタリアで日本語を使うなら、中々分かるやつもいないだろ。

「・・・で?件の神様関係については何かわかった?」
「何もありませんね。あれから、一切のおとさだがありません」

 今回呼び出されたのは、どうにもあの日に神が出てきたらしく、それについて調べてほしい、というものだ。
 まあ、いくつか気になることもあったのでこうして来たんだけど。

「つまり、ほんの数時間だけ存在が確認されて、それ以降は何にも感じられないと?」
「そういうことになりますね。一応、水神のたぐいであるという霊視は得られています」

 とはいえ、それでも見つからないと。
 あー・・・となると、可能性は三つ・・・いや、四つか。

「なんだか、面倒そうだなぁ・・・」
「どうかされましたか?」
「いや・・・何が起こったのか、可能性が四つほど浮かんだ」

 と、そこで例の神が確認されたという場所についたので、車から降りてから説明を始める。

「まず一つ目に、その神が何らかの理由で力を失った」
「何らかの理由、ですか・・・」
「ああ。実際に、アテはゼウスとの戦いで一度、神性を失ってる・・・とはいえ、何にもなくそうなることはまずない。二つ目の可能性の幽界に行った、っていう可能性も除外していいだろうな」
「それが事実であるのなら、とても助かるのですがね」

 残念なことに、そうなるんなら苦労していない。
 あいつらは基本、やりたい放題やる連中だ。

「二つ目。その神だけでなくもう一柱別の神も顕現していて、相打ちになった」
「なるほど・・・それなら、可能性はなかなかにありますね」
「少なくとも、前二つに比べたらな。それに、中々に平和的だ」

 そして、最後の一つ。
 一番可能性が低いやつ。

「最後の一つは、俺たちの同類が誕生した」

 全員が驚いた表情になっていた。
 まあ、思いつきもしなかったのかもしれないな。

「ちなみに、だけど。他のカンピオーネがこれをやった可能性はないぞ。側近とかの頭の中をのぞいてみたから」

 と、そこでなんかいやな感じがした。

「・・・どうなさいました?」
「いや・・・全員、伏せろ!」

 俺はそう言いながら全なる終王(ゼウス・エクス・マキナ)を発動し、肩当てを装備してから飛んできた雷を片手で受け止める。
 これは・・・人間の術によるものじゃないな。それに、アレクのとも違う。
 となると・・・犯人は神か。

「神代殿、今のは・・・」
「どっかの神が、俺に喧嘩を売ってきたんじゃないか?」

 そう言いながら知に富む偉大なる者(ルアド・ロエサ)で周りの人間の目撃情報を探る。
 が・・・全員が、突然飛んできた雷へ驚きを見せるだけだ
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