十話 MPC(マイパソコン) SHOP
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◇◆◇
凛凛とした商店街の中、HR(ホームルーム)が終わった一年生たちは清々しくまっすぐ道を下校している。
生徒達の声でにぎあう中、広翔と蓮はとあるヤボ用を済ませようとしていた。
後悔というヤブ用を。
「なあ、この用事が済んだらゲーセンでもいかねえか?」
蓮が軽い表情で提案してきた。
そう言う蓮だが、最近はゲームセンターは少し珍しく、昔よりは減少し、商店街にはあまり設置されていない。現代の端末の機能や技術ならそのようなゲーム要素をカバーできるほどに進化しているからである。
蓮の発想には広翔には正直、高校生になってゲームセンターは幼稚すぎるような気がした。
「ああ…そうだな。用事が済んだら、な。」
まだ11時。
広翔は姉達との約束にはまだ時間があったので暇つぶしとして、蓮には頷くことにした。
「いやー、それにしてもついてないよな俺達。
初日からMPCをぶっ壊されるなんて。」
頭をかきながら、冗談目かしく、笑い事(?)のように済ませようとする蓮。
そんなことを言っても蓮のテンションは全く落ち込んでない様子だった。
(この男は気楽だな…)
久しぶりに会った桐生 海波に、HRの前、「でかパイ」とかチャカした挙げ句、MPCを投げ飛ばされ、壊されたのだ。?海波は広翔の能力で直せるんだろうと思ったらしいが、外部損傷までは直せない……
3年前はもっと穏やかで逆に「人見知り」のような性格をしていた彼女だが、人は3年間でこんなに変わってしまうらしい。
「誰の所為で壊れたんだか…」
広翔は冗談っぽく、且つ躊躇い交じりに言った。
「っはっは どっちかと言うと激怒させたのはお前のほうやろ。」
と、そう笑いながら、顔に合わず正確な事を振り付けた。
別に反論はしなかった。完全に広翔が起こらせた事態だったからだ。
彼女は明日から危険リストに入れておくこう。
「さて、駅前にあるPCショップに行くか。」
広翔は決定したように言った。
「詳しいな。駅前にあるのか?」
「…まあな。」
広翔はそう単純な応答で受け流し、歩いていく。
◇◆◇
「ヘェー こんな所にPCショップがあるなんて。ひろとはよく知ってんな。」
蓮は広翔ん二人称を変え、驚いた表情で建物を見上げた。
駅前の十字路を過ぎた所らへんに小さなビルが建っている。
そこのビルの看板はいろいろあったが、「PCショップ 竹原」と書いてあるのを確認した。
少し見た目は古くさく感じたが中身は全くそうではない。
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