夢と幻
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ストロナミカル・シンフォニア》を喰らったのに・・・!」
そう―――――そこに立つミストガンは、無傷だった。
ルナが驚く理由はそれである。
セスの異常気象と、ルナの天体の交響曲、このコンビは最強だと言っても間違ってはいない。
ルナの魔法、惑星力は惑星の力を借りて攻撃や防御をする魔法。例えば、火星の力を借りれば、火を操ったり、その場にある火を味方につける事が出来る。
つまり、そこに操れる属性が多ければ多いほど、ルナの力は増していく。
異常気象によって齎された、様々な属性が1つに集まるあの状況は、ルナにとっては自分の魔法の力が十分に発揮出来る、ルナの為の状況だった。
そんな完璧な状況下での魔法だったのに、ミストガンは傷1つ負っていない。
「・・・摩天楼」
「そうだ」
慌てるルナの後ろで、ヴィーテルシアはポツリと呟いた。
その呟きを聞いたミストガンは頷く。
(私が聞いたあの呟きは・・・摩天楼、だったのか)
摩天楼。
それは、相手に幻覚を見せる魔法。
ヴィーテルシアがミストガンの呟きを聞いたのは、セスが異常気象を発動するより前。
つまり、そこから先の光景は全て摩天楼の効果を受けている。
ルナが攻撃したのは幻のミストガン―――――本体であるミストガンが無傷なのも当然だ。
「っセスさん!もう1度です!異常気象を・・・」
「無駄だ」
くい、とミストガンがセスを指さす。
ヴィーテルシアとルナはその指さす先に目を向けた。
そこには、俯いて立つセスの姿。
「なっ・・・」
ルナが目を見開く。
2人がこっちを見るのを待っていたかのように、2人が向いた瞬間に、セスは糸の切れた操り人形のように倒れ込んだ。
「セスさん!」
ルナはヴィーテルシアから離れ、セスに駆け寄る。
慌ててその体を起こすと、規則正しい寝息が聞こえた。
「霧幻奈落か?」
「ああ、眠ってもらった。私が解除しない限り、眠っている」
霧幻奈落は睡眠の魔法。
確かに、先ほどからセスが静かだな、とは頭の片隅で思っていたが、まさか眠っていたとは。
ヴィーテルシアは「なるほどな」と頷く。
すると、ルナがセスを寝かせ、振り返った。
「ならば私1人でお相手します。セスさんの力がなくても、天体の交響曲の威力は・・・!」
ルナが叫び、止まった。
固定された訳でもないのに、固定されたように動けなくなる。
「効果はあったようだな」
ニヤリと笑みを浮かべたのは、ヴィーテルシアだった。
俯せ状態から、オー
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