十香アライブ
2.ダイブシスター 《いもうととあそぼう》 後編
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る。
下着ドロ、女子トイレ侵入、女性を追いかけまわすなど、エトセトラ、エトセトラ……
無論それ以上の大それた真似はしなかったが、このような軽犯罪を大量に犯す危険人物のような男だったので警察との闘争及び逃走は日常茶飯事だった。
なので、新しい生活となるとこのような装備は必然必要になる。顔さえ隠れれば最低限ばれることはないはずだろう。ただ、念のため手袋とほっかむりも買っておくか。
「お兄ちゃーん。そろそろ次に行くのだー」
「おー分かった。今会計してく――
ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――――――――――
唐突に、突然に、周りをビリビリと揺らすようなサイレンがけたたましく鳴り響いた。
「――んっ!な、何だ!何が起こった!?」
「……!空間震だよお兄ちゃん!」
空間震?聞き覚えのない言葉だ。災害なのか?それとも事件なのか?
パニックになっている最中、再度館内に放送がなる。
『――これは訓練では、ありません。これは訓練では、ありません。前震が、観測されました。空間震の、発生が、予想されます。近隣住民の、皆さんは、速やかに、最寄りのシェルターに、避難してください。繰り返します――』
放送の終わりと同時に人が動き始める。
ぞろぞろと下へ下へと降りていっている。
「ほら!お兄ちゃん!琴里たちも下に行くよ!」
「あ、ああ」
おそらく下にそのシェルターとかいうのがあるんだろう。
俺たちは他の人と一緒に階段を利用して下へ降りていく。
それにしても……不思議だ。
そう、誰一人として取り乱したりしていない。
正確に言えば不安や緊張のようなピリピリした空気が辺りにはあるが、ただそれだけ。普通ならだれか一人くらいは取り乱すものだと思っていたが……
まるで、やり慣れているような……いつもの事みたいな、そんな感じがして……
考えに耽りながら1階へ来たところで人の波は地下階段のようなところへと向かう。
地下シェルター。確かに地下なら頑丈に作られてさえいれば、どんな災害でも落ち着いた対応が取れるだろう。
空間震がどういったものなのかは皆目見当もつかないが。
「お兄ちゃん、琴里ちょっとトイレ行ってくるね」
「へ?いやいやいや今は緊急事態なんだから少しくらい我慢しろよ」
「大丈夫大丈夫!トイレはすぐ近くだし問題ないのだー。じゃ、行ってくるねー」
「ちょ!待て!」
俺の制止に耳も貸さず、そのままシェルターの逆方向へと走って行った。
しかしここで俺も琴里の方へ行っても人の邪魔になるだけだ。
まあ場所はちゃんと分かってるみたいだし、万に一つも迷子にはならんだろう。
俺は琴里を追わずそ
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