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デート・オア・アライブ
十香アライブ
2.ダイブシスター 《いもうととあそぼう》 後編
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ら、右手にわさびを、左手にからしを持ちながらジリ……ジリ……と近づく。

さながらその姿は、某地獄の帝王のようだ。

「い、意地悪なお兄ちゃんは嫌いだぞ!」

「許せ、琴里。俺はお前に意地悪をしなければ生きていけない罪深い人間なんだ」

「罪深いと思ってるならやめてよう!」

まずい、本格的にぐずってきた。このままでは情報の取得どころか、家族問題にまで発展してしまう。
()くなる上は……

「まあ冗談はここまでにして。今日俺が琴里に意地悪するほどテンションが高かったりするのには訳があるんだ」

「わけ?」

「ああ、今日は明日の準備も兼ねて買い物にでも行こうと思ってな。琴里の予定さえよければ一緒に行かないか?と誘おうとしていたわけなのだよ」

その言葉と同時に琴里は目を輝かせる。

「おー!本当にいいのかお兄ちゃん!」

「ああ!特別にお前の行きたいところへいくらでも行ってやろう!」

「やったー!じゃあじゃあ最近近くにできたファミレスでお昼ごはん食べてもいい!?」

「オーケーオーケー!メニューは何を頼んでもいいぞー。今日だけの特別だ」

「おおー!お兄ちゃーん、愛してるぞー!」

そう言って、勢い良く抱きついてくる。スキンシップの激しい奴だ。

さて、俺が唐突にこのような提案をしたのは理由がある。琴里のご機嫌を取ることも理由の一つではあるが、もう一つあるのだ。

俺がまだこの世界の外を見たことがない以上、無闇に歩く事は得策ではない。(確実に迷子になる自信があるので)

そのため外を歩くためには案内人が必要になる。そのためには琴里にその役を請け負ってもらわなければいけないのだ。

「出発は10時だ。それまでに準備しとけよ」

「はーい!おっでっかけー!おっでっかけー!」

上機嫌にニコニコする琴里。

いいなぁ純粋に楽しめて。こっちはまだ、やらなきゃいけないことが山ほどあるというのに。

まずは、この鳴りやまん壊れたアラームのような腹を何とかせねば。

「じゃあさっさと朝飯食って、出かける準備するか」

「あ!お兄ちゃーん!朝ご飯の準備琴里も手伝うのだ―!」

「おお、そうか。じゃあ早いとこ終わらせて食っちまおう」

「おー!」

そして俺たちはキッチンへと向かう。俺はまず冷蔵庫に手をかけた。材料を見ないことには料理は始まらないからな。だが……

「「?」」」

その中にあったのは、とても奇妙な、もといシュールな……

「お兄ちゃん、これ……何?」

「あんこと、チーズと…………しめ鯖?」

目の前の光景が理解できない俺と琴里はその場でしばらく硬直し、やがて――

パタン と冷蔵庫を閉めて……

「……外で食うか
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