天才と無能
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外の様子を眺める為のモニターのカメラが光に覆われ何も見えなくなる、
徐々に光が収まって来ると紫色の空に薄暗い世界がモニターに映し出されていた。
「着いたようね」
「はい、座標のズレは無し、転送による建物や住民への被害なども今の所報告されていません」
「高度は現状を維持。私達が戻るまで警戒態勢を維持して、もし私達が居ない間に何かあったらどんな些細な事でも報告して頂戴、有事の際の為に指揮権をフリードとヴェズを持たせておくわ」
「分かりました、どうぞお気よ付けて行ってらっしゃいませ」
オペレーターの子達の声を背に私は指令室を後にする、さあお披露目と行きましょうか。
「さて準備は良いかしら?」
「転送の御用意は出来ております」
「御意に」
「何時でも行けます」
「はい」
「何時でも行けるわよ〜」
『わくわく、わくわく』
いつも通りのメイド服のノーラ、鎧姿のフィネガス、白いドレスを着たティア。黒のドレス姿のヘル、胸元が空いたチャイナドレス姿のフェル、黒のゴスロリ姿のヨルム、私は代表と言う事で赤を主調としたドレスを着て着飾っている、そして転送する。視界が魔法陣の光で塞がれ、光りが収まるとパーティの会場らしきエントランスに居た。
「転送完了したようね」
「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」
エネルゲイヤから転送で飛んで訪れたパーティ会場、いきなり現れた私達に驚いている様ね、そしてまだ会場の準備が整う前らしいから私達は待合室らしき部屋に通された。
ノーラの淹れてくれた紅茶を飲んで待って居ると、ド―――ン、と轟音が響く。
「少し様子を見てこようかしら」
紅茶のカップを置いて立ち上がる、フィネガス達も私の後に続く。
廊下に出て音のした方へ向かうと懐かしい顔を見つけた。
「サイ」
「っ!?」
見つけたのはサイラオーグ・バアル、私の従弟でかつて無能と揶揄されていた子。
「久しぶりね、サイ」
「はい、エネルゲイヤ様もお久しぶりです」
サイに近寄り挨拶をする。
「昔の様に姉さんで構わないわよ、サイ」
「そう言うなら、姉さん」
サイはバアル家に産まれながら消滅の魔力を持たなかった、そのせいで辛い目に会って来た。そんなサイと私が出会ったのは彼がまだ幼少のまだ左遷される前たまたま大王に用があり大王の居城を訪れた時1人で泣いている彼に声を掛けたのが切っ掛け、それ以来何かと気にかけ、何時しか私はサイを弟の様に思い、サイも私を姉の様に慕ってくれた。
「そう言えば次期当主に選ばれたそうね、おめでとう」
「ああ、ありがとう姉さん。姉さんが居てくれたから俺は」
「私は特訓に付き合っただけよ、全てはサイの努力の賜物よ」
久しぶりのサイとの会話昔に戻れたようで楽しかった。
「そう言えばこんな通路で何を
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