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リメイク版FF3・短編集
図書館は眠らない
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味だよ」


 小さく話しているとはいえ、図書館で何を云ってるんだろうと僕は内心可笑しくなる。


「む……、ルーネスは傍にいると喧しく、手を焼かされるからな。アルクゥならば大人しく、手も掛からないだろうし──── 」


「どっちなの、結局?」


 今の僕は、ちょっとイングズを困らせたいだけなのかもしれない。


「それは、だな………」


「はっきり云ってくれて大丈夫だよ。───本当はルーネスといる時の方が、楽しいんでしょ」


「いや、そんな事は………」


「僕は小さい頃から、いつもルーネスに守ってもらってた。けど……、今はもう違う。僕にもこれから、守りたいものが出来たし。……だからイングズ、君にはルーネスの事を守ってほしいんだ」
   

「何を云ってるんだ。私が傍にいる限りルーネス、レフィア、アルクゥ ──── 三人とも守るぞ」


 わぁ、云ってくれるよね……。僕には真似できないかっこ良さだ。


「じゃあ、僕だってみんなを守らなきゃ。無事にみんなが、この旅を終えられるように……。僕じゃ、頼りないだろうけど」


「頼りにしているよ、アルクゥ。だから────お前の事も守らせてくれ」


「え………う、うん……!」


 あぁ、やっぱりルーネスだけに独り占めさせるのはよくないなぁ。


「……よし、アルクゥ、今日はとことん本読みに付き合うぞ」


「え、急になに云い出すの?」


「私がルーネスを贔屓しているのではないと、少しでも証明してみせよう」


「ふ〜ん、そっかぁ。そう云ってる時点で贔屓してるようなもんだけど────じゃあそうしてもらおうかなぁ? 今夜は………帰さないからね」


「か……、覚悟しよう」




 その後、ルーネスとレフィアが呼び戻しに来ても、僕とイングズは一晩中………サロニアの図書館の本という本を読みあさった。

さすがにイングズは、ウトウトしだしちゃったけれど。





END
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