図書館は眠らない
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
味だよ」
小さく話しているとはいえ、図書館で何を云ってるんだろうと僕は内心可笑しくなる。
「む……、ルーネスは傍にいると喧しく、手を焼かされるからな。アルクゥならば大人しく、手も掛からないだろうし──── 」
「どっちなの、結局?」
今の僕は、ちょっとイングズを困らせたいだけなのかもしれない。
「それは、だな………」
「はっきり云ってくれて大丈夫だよ。───本当はルーネスといる時の方が、楽しいんでしょ」
「いや、そんな事は………」
「僕は小さい頃から、いつもルーネスに守ってもらってた。けど……、今はもう違う。僕にもこれから、守りたいものが出来たし。……だからイングズ、君にはルーネスの事を守ってほしいんだ」
「何を云ってるんだ。私が傍にいる限りルーネス、レフィア、アルクゥ ──── 三人とも守るぞ」
わぁ、云ってくれるよね……。僕には真似できないかっこ良さだ。
「じゃあ、僕だってみんなを守らなきゃ。無事にみんなが、この旅を終えられるように……。僕じゃ、頼りないだろうけど」
「頼りにしているよ、アルクゥ。だから────お前の事も守らせてくれ」
「え………う、うん……!」
あぁ、やっぱりルーネスだけに独り占めさせるのはよくないなぁ。
「……よし、アルクゥ、今日はとことん本読みに付き合うぞ」
「え、急になに云い出すの?」
「私がルーネスを贔屓しているのではないと、少しでも証明してみせよう」
「ふ〜ん、そっかぁ。そう云ってる時点で贔屓してるようなもんだけど────じゃあそうしてもらおうかなぁ? 今夜は………帰さないからね」
「か……、覚悟しよう」
その後、ルーネスとレフィアが呼び戻しに来ても、僕とイングズは一晩中………サロニアの図書館の本という本を読みあさった。
さすがにイングズは、ウトウトしだしちゃったけれど。
END
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ