図書館は眠らない
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「わぁ……! こんなにたくさんの本────夢みたいだ……!」
「………アルクゥは本当に、本が好きだな」
はしゃぐような僕を見て、イングズは蒼い目を細めて微笑んでいる。────何かちょっと、恥ずかしい。
ルーネスとレフィアは、仲良くとはいかないだろうけどサロニアの武器防具屋を巡っていて、イングズは僕に付き合って図書館に一緒に来てくれた。
イングズも、僕ほどじゃないけど本は読む方らしい。……何だろう、そんなイングズに親近感というか、ルーネスとは違った安心感があるなぁ。
ルーネスがやんちゃなお兄ちゃんなら、イングズはやっぱり頼れるお兄さん────だね。
「どうした、何か面白い事でも書いてあったか?」
ふふ……っと、つい笑ったのをイングズに聞かれたらしい。僕は今手元で開いている本を、イングズに見せるように近づけた。
「ほら、これすごいよ! 時の歯車の原理……、永久機関などについて、だって! 読み応えあるなぁ……!」
「さ、さすがに難しそうな本だな………」
イングズは、細かい文字に目を凝らす。
「君は、何読んでるの?」
「騎士の在り方について、書かれている本だな。なかなか興味深い」
「そっかぁ、イングズらしいね。……あ、これも面白そう! ほら、これ──── 」
「 ん……? 」
ゴツンッ
「あいたっ……?!」
「 ………! すまん、大丈夫かアルクゥ?」
勢い余って、頭をぶつけ合っちゃった。
「い、今のは僕が悪いよ。ちょっとはしゃぎ過ぎたかな……? これだけたくさんの本の匂い嗅いじゃうとつい、ね……!」
「 ──── フ」
「え、なに……?」
イングズが、微笑しながら僕の頭を撫でてきた……!?
「いや………可愛らしいと思って」
「ふぇ……?!」
「あ、いや、すまん。子供扱いした訳ではないんだ」
「 ………ルーネスに云わせると、そうなるよ」
僕はつい、イジワルを云った。だって……ルーネスには時々そうしてるの、知ってるから。
「わ……、悪かった」
「ふふ、いいよ別に。……でもあんまりそう軽々しく手を出さない方がいいと思うよ? そうでなくても、イングズにはただでさえ勘違いさせられるというか──── 」
「そう、なのか??」
自覚なしにさりげなくやっちゃうから、いいんだろうなぁ。
「ひとつ………聞かせてよ。僕とルーネスなら、どっちを本当に"弟"にしたい?」
「ん……、どういう事だ?」
「そのままの意
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