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魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
オリジナル〜StrikerS 日常編
62話:帰ってきた日常(げんじつ)
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、迷惑かけてなんだけど……助けてくれて、ありがとう」
言えた。言いたいことが、ようやく言えた。
剣を向けて、酷い事して、心も体も傷つけて……そんな事をしても、皆俺を見捨てなかった。俺が側にいることを、許してくれた。
だから―――ありがとう。
「―――…士って、結構ズルいんだね」
「……え?今なんて…」
「教えな〜い」
何かフェイトが小声で言ったが、俺の耳には全部が入らなかった。
確かに何か言っていたから、もう一度聞こうと思ったら…フェイトが顔をこっちに向けた。しかも、満面の笑みだ。
「今の言葉、なのはやはやてにも言ってあげてね。きっと喜ぶから」
「あ、あぁ…」
それじゃあよろしくね、と言い残しフェイトは皆の元へ行ってしまった。
「ん〜…なんだったんだ?」
「―――士」
「ひゃうっ!!」
ブスッとしたり笑顔だったり、表情の変わり様が凄いのが不思議に思い頭を掻いていると、背後から声をかけられた。変な声を出してしまったのはいきなりだった事と、その声の主がさっき襲ってきた人物だから。
「な…何かな、ヴィータさん…」
「なんで敬語なんだ…?」
思わず身構えてしまう俺に、顔をしかめるヴィータ。いや、流石にあんな事があったら警戒してしまうだろ。
「そ、それで何用ですかな?」
「なんでそんなピリピリしてんだよ…?」
そう言ったヴィータは頬をポリポリ掻きながら、何か言いたげに視線を逸らした。
「そ、そのよう…」
「…なん、ですかな…?」
なんだこれ、なんだこの雰囲気。いつものヴィータが変にしおらしい。
「前から言いたくて…言えなかったんだけど、よ…」
「お、おう…」
「その…ありがとう、な…」
ヴィータの口から放たれた言葉は、お礼の言葉だった。あまりに急な事で、俺の思考が一瞬止まってしまった。
「……は…?」
「だからっ!…今まで色々助けてくれて、ありがとうって言ってんだよ!」
ようやく出た俺の素っ頓狂な言葉に、ヴィータは声を張り上げる。
「はやてを救ってくれて、一年前のあれも…皆を助ける為に…」
「あ、あぁ!そういう事!いや、でも別に礼を言われるような事じゃ―――」
「それでもっ!てめぇがいらねーって言っても、こっちがしてーんだよ!」
「うぉっ、胸倉掴むな危ない!」
なんか俺の言葉の途中から、胸倉を掴んで引っ張ってきやがった。顔近い近い!
俺に言われて、ヴィータは手を離して顔を背けた。
「だから…その…今までありがとうな…」
「…お、おぅ…どう、いたしまして…」
だからしおらしくなるな、らしくない。気持ちわるぶべらばっ!
「悪かったな!気持ち悪くて!!」
「こ、心を読まれた…だと……?」
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