第百六十四話 二兎その十一
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うしてもですな」
「うむ、わからぬ」
どうしてもだというのだ、顕如も。
「このことは織田信長にも聞かれるであろうが」
「知らぬことはですな」
「知らぬとしか答えられぬ」
顕如は目を顰めさせて言った。
「全くな」
「そうですな、そのことは」
「このことも気になるが」
それよりもだった、今は。
「和議を結ぶことじゃ」
「では」
「都に発つ、留守は教如に任せてじゃ」
そのうえでだというのだ。
「織田信長と会おうぞ」
「では我等も」
「共に」
「ついて来るのじゃ」
こう言うのだった。
「そして織田家の者達とあいまみえようぞ」
「仏敵共とですな」
「都で」
「さて、一体どの様な者か」
顕如はここで信長に思いを馳せる、この度互いに死力を尽くして戦った相手のことを。
「見てみるとしようぞ」
こう言って彼もまた都に上がる、信長と顕如は都において宿命的とも言える敵と会うこととなった。ここでまた運命が動くのだった。
第百六十四話 完
2013・12・21
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