第六幕その十一
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「そうしてね」
「オズの国に戻って」
「それでパーティーですね」
「そうしようね」
こうお話してでした、皆で。
また歩きだしました、そうしてカドリングの国を結構進んだ時にでした。トトが皆にこうしたことを言ってきました。
「ねえ、いいかな」
「トト、どうしたの?」
ドロシーがそのトトに応えました。
「何かあったのかしら」
「うん、もうすぐ森に入るじゃない」
「ああ、あの森ね」
「そう、その森にね」
そこにというのです。
「前は大きな蜘蛛がいたじゃない」
「今はいないわよ」
ドロシーは最初にカドリングの国に来た時のことを思い出しながらトトに答えました。
「臆病ライオンさんが退治したでしょ」
「うん、そうだよね」
「それがどうかしたの?」
「いや、そうしたこともあったなってね」
そう思ってだというのです。
「言ったんだ」
「そうなのね」
「そうなんだ」
こうお話するのでした。
「昔はそんなのもいたなってね」
「そうよね。オズの国も私達が最初に来た時はね」
「怖い場所や生きものもまだいて」
「危険も多かったわね」
「本当に今は変わったよ」
「そうよね」
「というか凄い大きな蜘蛛だったんですね」
恵梨香がここで言ってきました。
「そうだったんですね」
「そうなの、臆病ライオンさんが言うにはね」
どうかというのです。
「もう丸太みたいな脚でね」
「その脚が八本ですよね」
「とんでもない大きさでね」
「とても退治出来なかったんですね」
「そう、とてもね」
そうだったのです、かつては。
ですがそれでもです、臆病ライオンはその蜘蛛をやっつけたというのです。自分ではとんでもなく臆病だと思っていても。
「そうした蜘蛛もいたのよ」
「カリダだけじゃなくて」
「そうだったのよ」
こう恵梨香にもお話するのでした。
「結構いたから、そうした生きものが」
「けれど今はですね」
「そうよ、いないわ」
そうした蜘蛛も怖いカリダもというのです。
「だから安心してね」
「わかりました、それじゃあ」
「さて、それでは狐の国までは遠いけれど」
「一歩一歩進んで」
「そうしていくんですね」
「道はわかっているよ」
それは既にというのです。
「だからね」
「確実に進んでいくこと」
「それが大事ですね」
「そうだよ、歩いていこうね」
モジャボロは五人に笑顔で言います、それを受けてでした。
五人もドロシーもトトもモジャボロと一緒に進んでいきます、今度は狐の国と驢馬の国に。皆の旅は今も続くのでした。
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