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lineage もうひとつの物語
オーレン戦役
炎の魔神
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てなんとかできないだろうか

祝福されたテレポートスクロールの魔力を抽出しそれを使う?
抽出方法は学生時代の研究が役に立ちそうだ
次は魔石か
魔石に抽出した魔力を込めればいけるかも
それを媒体にしマステレポートでアレンを連れていく
誰も成功したことがないだろう魔石への注入
果たしてうまくいくのか

「アレンさん、少し時間をください」

アレンが頷くのを見て一度使って空になった魔石と祝福されたテレポートスクロールを取り出すサミエル。

周りに馬鹿にされながら研究したスクロールの魔力構築は知っている
ならば、順番に移していけばいいだけじゃないか
なぁに簡単なことだ
自分のやってきた事を信じよう

額に汗を浮かべ真剣な眼差しで魔力の移行を図るサミエル。
一度目は移行する前にスクロールが燃え尽き、二度目は移行途中で失敗した。
回数を重ねる毎に集中力が増しコツがわかり成功へと近づいていくのが感じられるた。
三度目は時間にして10秒ほど。
顔色の悪くなったサミエルはアレンに微笑みかけた。

「今まで出来るとは思わなかった。こんな土壇場で出来るとはね。」

何をやったのかはアレンにはわからない。
しかしサミエルが自分の願いを叶えるため何かをやってくれたのは痛いほど理解できた。

「サミエルさん、ありがとう。必ずヤツを倒す」

「タイミングは任せた。合図があればこれを投げてやろう」

ガンドは予備の斧を手に持ち笑う。
その笑みはよくやったとサミエルを認めたものだった。

この別の魔力を込めた魔石は常に制御しなくてはならずサミエルの魔力はどんどん失われていく。
こんなのじゃ普段は使えないだろうという確信がサミエルにはあった。

「急ごう、僕がいつまでもつかわからない。」

アレンはツーハンドソードを握り締めイフリートを睨み付ける。
サミエルはアレンの肩に手をのせ

「一度限りだ。次はないよ。いいね」

アレンは強く頷きサミエルがマステレポートの魔法を詠唱していく。
ガンドは詠唱が終わるタイミングを待つ。
ゆっくりと、力強く放たれた斧は綺麗な放物線を描きサミエルは睨むようにその軌跡を追う。
そしてイフリートの上空に差し掛かった。

「マステレポート!」

サミエルの声が聞こえアレンと共に姿が消えたと同時にイフリートの上空に出現した。
アイスクイーンが頭を抱え停止している姿を背景にアレンとサミエルがサムズアップで笑顔を浮かべているのが見える。
ガンドは愛用のグレートアックスを肩に担ぎイフリート目掛けて走った。
アレンはサミエルにお礼を言うと重力に引かれるままイフリートへ一直線に向かっていく。
サミエルは魔法石の砕け散ったソーサリースタッフを見ながら独り呟く。


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