禁断の果実編
第79話 花は咲いた
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の力で!』
紘汰も変身を解き、抱きついた咲を持ち上げぐるんと一回転した。
「これが俺の、新しい力――」
咲を下ろした紘汰は、鍵の形をしたロックシードを強く握った。
サガラがオーバーロードの王の持つ果実から取り出した一欠けら。それだけでオーバーロード一体を凌駕した。そんな物を紘汰は手にしてしまったのだ。
「紘汰!」
呼ばれてふり返ると同時、ザックが紘汰にラリアットをかまし――もとい抱きついた。
「何だよ、お前、すげえじゃねえか。いつのまにあんなロックシード手に入れたんだよ」
「まあ、その、色々あってな」
ザックの向こう側では、変身を解いた戒斗たちがこちら側にやって来ていた。戦いは終わったのに、湊が去る様子がないのが、咲にうずうずとした嬉しさを感じさせた。
「悪い、戒斗。遅れた」
「元よりお前の助けなど期待してない――が、今回ばかりは礼を言う」
「私もよ。あなたがいなければ危なかった。ありがとう、葛葉君」
湊が頭を下げた。今までの因縁があるはずなのに慌てて湊に頭を上げさせようとする紘汰に、咲はこっそりくすりと笑った。
戒斗、ザック、湊、城乃内、凰蓮。皆が無事で、紘汰と笑い合っている。
よかった――と安堵した瞬間、咲の視界はぐるりと回った。
「咲ちゃん!?」
紘汰の呼び声が、とても遠かった。
咲は石畳に倒れた。その拍子に、バックルから、ヒマワリの錠前が転がり落ちた。
花開いた、ヒマワリの錠前が。
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