禁断の果実編
第78話 見参! 極アームズ
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来てくれると信じていた。それでも、いざ目の前にするとこんなにも胸がいっぱいになる。
『紘汰、くん……っ』
「待たせてごめん、咲ちゃん」
倒れていたバロンたちもまた、葛葉紘汰の来援に気づいた。
紘汰はカチドキロックシードと、“森”でロシュオがサガラに渡した鍵のロックシードを出した。
「一緒にがんばるって約束したもんな――変身!」
オレンジの粒子が紘汰を鎧うより速く、紘汰は赤いオーバーロードに向けて腕を振った。その手には無双セイバーが握られ、カチドキ鎧武は赤いオーバーロードに刃を一閃した。あまりに早業の変身だった。
だがそれだけでは終わらない。鎧武は鍵を開錠した。
頭上に開く、無数の円形クラック。
《 フルーツバスケット 》
落ちたアームズが乱舞し、赤いオーバーロードにぶつかってから、鎧武を囲んで浮遊した。
鎧武は金の鍵をドライバーの横から射し、ひねった。
《 ロック・オープン 極アームズ 大・大・大・大・大将軍 大・大・大・大・大将軍 》
全てのアームズが鎧武に吸収されるや、オレンジの光粒子が散った。
その下から現れた鎧武は、白銀の甲冑と赤と黒のマントをまとった、まさに将軍と称すにふさわしい出で立ちだった。
月花はヒマワリフェザーを広げ、白銀の鎧武に舞い飛び寄った。一緒に戦う前に、どうしても言わねばならないことがある。
『紘汰、くん……ごめんなさい。あたし、紘汰くんを……』
裏切った。一緒にがんばろう、と約束したのに。勝手に悲劇のヒロインぶって、肝心な時に紘汰のそばを離れたせいで、紘汰はより多くの傷を心にも体にも負った。咲のせいだ。
鎧武は月花に対して向き合うように体の向きを変えた。
『謝ることなんてない。咲ちゃんは考えなしの俺と違って、ちゃんと考えて、俺よりたくさんのことを超えてきた。だからヘキサちゃんも貴虎も無事だったんだって俺は思うよ。それは咲ちゃんの強さだ。咲ちゃんは、胸を張っていいんだ』
『紘汰くん……』
『一緒に戦おう、咲ちゃん』
『――うん』
逞しい銀の掌に載せられる、小さなちいさな白い手。
今度こそ本当の、同志として、肩を並べ戦う者同士の握手。
月花と鎧武は同時に宙を、地を、蹴って翔けた。
『ここからは俺たちのステージだ!』
鎧武の手に現れた大橙丸が、鋭く赤いオーバーロードの甲殻を切り裂いた。
大橙丸だけではない。鎧武がバックルに射した金の鍵をひねるたびに、鎧武の手には全く違う武器が握られる。この場にいるアーマードライダーの武器もその中にはあった。
斬られ、突かれ、叩かれ、赤いオーバーロードの劣勢は明らかだ。一緒に戦おうと言ったが
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